恋する青年は恋を知らない
めいの助@不定期投稿
第1話 恋 (0話)
「あの日俺は恋とは何か知ったんだ。」
そんな一文が魅力的な本を閉じた時に俺は恋とは何なんだろうと思った。
「恋」それは特定の相手のことを好きだと感じ、大切に思ったり、一緒にいたいと思う感情。(Wikipedia参照)
そんな感情俺は抱いたことが無かった。推しが恋に入るのであればそれは......
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこの冒頭文で分かる通り俺、『青井 夏樹』はヲタクなのである。とは言っても俺は自称なだけでアニメ好きなだけなのかも知れない。
「今日から高2かぁ」とヲタクあるあるの独り言を吐いてしまう俺は
県立平沢高校の新2年生になる。
昇降口の張り出されているクラス表を俺の唯一の長所と言っても過言ではない177cmの長身を活かして見るとすぐに自分の名前を発見した。その上には1組と書いてあった。
クラスに向かおうと振り返ったときに
1人の女性とぶつかり女性は転んでしまった。
「大丈夫ですか?すみません」と声を掛け手を差し伸べると。その女性は「いててて」と言い顔を上げた。転んでしまい床に付きそうな長い黒髪、みずみずしい樹木のような透明感のある白い肌、ダイヤモンドのように光る瞳。思わずドキっとした。
「こちらこそすみません!前見てなくて」
「あ、あぁぁ僕の方は大丈夫です。それではまたどこかで」と作り笑顔でごまかし2年1組の教室へ歩いていく。
あの人なんて名前なんだろうな...
クラスに着き席に着くと1人のホモサピエンスが話し掛けてきた。
「おう!今年も同じクラスだな夏樹」
「あぁお前も同クラだったのか雄太」
話しかけてきたのは2年連続で同じクラスになった星野 雄太。アニメやラノベならこう言う友達が主人公とヒロインのキューピッドとなってくれたり主人公を助けたりするものなんだが、こんな奴に期待できる訳ない。
雄太は生粋の女たらし。高1の時だけで10人と付き合って別れた。こんなクズ男にかぎってなんでも出来る上にイケメンフェイス。
こんなのおかしい。『神様』様、俺に対してのいじめですか??
そんなことはどうでもいい。この女たらしの顔は殴りたくなってしまうので席を立ちトイレに行こうとすると完璧超人ヤリ〇ンが付いてくる。
「なんで無視するんだよ夏樹、イケメンなのはしょうがないだろ?」
こいつウゼェェ。イケメンって自覚しているのがウザすぎる。
「今年も遊ぼうな。まぁ女の子ばっかで遊べるかわからんけどな」
「お、おう」と返事をしたものの心の中では「死ねくそヤリチ〇」と思っていた。
なんで俺はこいつと縁を切らないと思う?
それは......俺は友達がいないから。
あれは入学式のこと。イケメンでコミュニケーション能力の高い夕雄太はクラスの女子とだけLINEの交換をしていた。その時クラスの男子全員がこう思った
「あのイケメンとは仲良くなれそうにないな」と
だが俺は違かった。中学ではクソ陰キャの俺は高校のスタートダッシュに必死だった。なので誰でも友達になれればよかった。
「星野君だっけ?LINE交換してくれますか?」
当時の雄太は少し嫌な顔をしていたと今は思う。だけれど雄太は二つ返事でokと快く交換してくれた。
というやり取りがあったし。イケメンとは素晴らしいもので俺と2人で居てもイケメンの存在感で5人分ぐらいと遊んでるように見えるらしい。だからぼっちだとも思われない。陽キャだとも思われるので感謝している所もある。
それにこんな女たらしでも俺が遊びに誘うと女の子と遊ぶことよりこっちを優先してくれるので本当にありがたい。本人曰くその女の子はキープしている女の子だから大丈夫らしい。
ここで回想は終わる。今考えていた上記のことはすべてキジを撃っている最中。
トイレから出るとお隣の女子トイレから一人の女子高生が花摘み終わりか分からないが出てきた彼女は一人らしい。その彼女の麗しい容姿を見た瞬間にさっきのぶつかってしまった女性だと確信した。
彼女はこちらを見るなり、あっと驚いた表情をし会釈をして走って行ってしまった。
俺なんか嫌われた?と思った。そんなこと思っていると『イケメンヤリチ〇』が口を開く
「お前に挨拶した?今」
「あぁ多分」
「俺じゃなくてお前に?俺に目も向けなかったのかよ。こんな屈辱初めてだぜ」
こいつの自意識過剰ぶりはまじで俺じゃなかったら手が出るレベル。でも一緒に遊ぶとすれ違う女の子はもちろん前を歩いている女の子達も雄太を見るどころか道を開けてくれるレベルのイケメンなので何も言えない。
こいつは口を開くなり「お前あの女の子になんかしたのか?」
「いやっ、その〜朝に昇降口でぶつかったんだよ」
「それって脈ありですやん!それで!?それで!?」
「このどこが脈ありなんだよ...彼女も悪いと思ってるだけだろ。俺も悪いと思ってんだよ」
「えぇ?つまんねぇの お前かっこいいんだから女の1人ぐらい捕まえろよな」
「道ゆく人に惚れられてるお前に言われたくないんだが。嫌味にしか聞こえん」
「ははっ。俺の顔って有罪だな。」
こいつは本当に優しい
〜初日の午前HRが終わり下校時刻〜
雄太は女と帰るので俺は1人で帰路に着く。
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今回は男の友情関係で終わってしまい申し訳ございません。次話からは本格的な話に入らせて頂きますので読んでいただけると嬉しいです!
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