第17話 テスト

テスト1週間前。


俺は自宅で1人机に向かっていた。


ガチャ


「はい飲み物。」


「ありがとう」

天花寺さんがコーヒーを注いでくれた。


「ここの問題間違っているわよ」


「本当だありがとう」


「頑張ってね」


「天花寺さんは勉強しなくていいの?俺に勝てる?」


「当り前よ。しっかり勉強しているわ」


「お互い頑張ろ」


「ええ」




翌日の昼休みに事件は起きた。




   花音side


「昨日どうだった?」


「まぁ普通に遊んだよ~」


「めっちゃイケメンらしいじゃん!学校中その噂ばっかだよ~」


「そんなことないよ~」


「またまた~うちも彼氏欲しいよ~」


「私のはだめだよ?」


「略奪愛好きじゃないんで」




今日も何通か下駄箱に入っていた


昭和ですか?



しぶしぶ所定の場所へ向かう。


「俺と付き合ってください!」


「ごめんなさい」

こんなすぐに返事が出るけれど断ることは胸が痛む。


「好きな人って他校の噂の人ですか?」


「う、うん。」


「ありがとうございました」

走って行ってしまった。



はぁ。他寝息を1つ。



どうしても夏樹のことを考えてしまう。



「ただいま~」

あれ知らない靴が一足。


訪問客かと思い自分の部屋に入ると正座して勉強している夏樹がいた。


「な、なんで夏樹がここに??」


「あぁ邪魔して悪かった。集中したくてな」


「自分のいえでいいでしょ!?」


「まぁいろいろあってここを選んだ」


突然のことにびっくりし過ぎて一気に心拍数が上がるのを感じる。



「お前は勉強しなくていいのか?もうテストだろ?」


「あぁそうだったね~ま、大丈夫でしょ」


「いつもそう言ってギリギリじゃないか。あの高校に入れたのも奇跡だろ」


「誰かさんが教えてくれたら頑張るのになぁ」


「人に頼るな」

不発だった。うまくいくと思ったのに。



私も教科書を広げた。


「おいスマホばっか見てんなよ?」


「休憩!」


「ずっとじゃないか」


すると夏樹の携帯が鳴った


部屋の外で電話する夏樹の声をドア越しに聞いていた。


「もしもし」


その声に返答した声は明らかに女性の声で聞き覚えがあるような声だった。


「晩御飯いりますか?」


「もうすぐ帰るからお願いします」


新婚さんのような二人の会話に負けた気がしてならなかった。



「帰るの?」


「あぁ今日は勝手に邪魔して悪かった」


「彼女さんとお幸せにね」


「ちげーよ」


彼女かを確認してせめていいのか決めた。


決めた答えは



  ``絶対 付き合う‘‘



   綾香side



最近夏樹君の帰りが遅い。


私と同じ帰宅部なのにあからさまに違う。


「ただいまー」


玄関から夏樹君の声がした。


「おかえり」

でも何故遅いのか聞くのは気持ち悪いと思われるので聞かないでいた。



次の日。夕食は夏樹君の当番なのに帰ってこない。


だが連絡する手段がないのでずっと待っていた。



    夏樹side


「やべっこんな時間」


「もう帰るの?」


「今日は夕飯作らないといけないんです」


「あら、そう。またいつでも来てね」


「ありがとうございました」




「千夏さんっ」




マンションのフロント前のドアを開け急ぎ足で部屋に向かう



俺と天花寺さんの家のドアを開けると...



玄関に天花寺さんが正座していた

「どうしたの??」


「夏樹君が遅いから...」


「あぁすまなかった」


「夜ごはんはどうするの?」


「いまから作るのもね。今日は外食にしないか?」


「バカ夏樹」

小声でそう言ったのが聞こえた。



「2人で外食してるのばれちゃったらどうする?」


「縁起でもないこと言わないで」



2人で夕食を済ませてレジに向かう。

「良かったな」

「えぇ」


ホールの人は忙しそうだったので呼び鈴を鳴らすとキッチンから見たことある顔が...




「おい、夏樹これはどういう事だ?」

奥から出てきたのはヤリチ〇こと『星野 雄太』だった。


「いや、その~まぁな」

袖を強く引っ張られた。


「なんで夏樹と天花寺さんが」



野口様を2枚置いて走る俺と天花寺さん。


疲れた時に着いたのが公園だった。



「はぁはぁ。まさか雄太がいるとはな」


「あの方ですか。明日から大丈夫ですか?私との変な噂流れちゃいますよ?」


「俺は全然大丈夫なんだけど天花寺さんの方がね」


「私友達いないんで大丈夫です」


「俺も」

2人見つめ合い笑う。



「不満とかあったら言ってな」


「では1つよろしいですか?」


「怖いんだが」


「早く帰ってきて欲しいです」


「えっ?えっ?」


「なにか返事をしてください。恥ずかしいです」


「おう。分かった早く帰るよ」

天花寺さんが俺に初めて主張した。





この時はまだ次の日一人の男にノックダウンされることを思ってもいなかった。




✄----------------------------✄


今回も読んでいただきありがとうございますます!


面白い!可愛い!と思った方はフォローとレビューよろしくお願いします!


辛口レビューもよろしくお願いします🤲



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る