第11話 買い物

   夏樹side


「どこで買い物するんだ?」


「隣町のららぽだよ」


「そこ初めて行くかも」

花音とだと付き合いが長いという事もあり会話が続く。


電車で2駅。

「なぁ歩きで良くなかったか?ダイエットにもなるし」


「年頃の乙女にそういう事言っちゃうの?」


「俺のお財布事情だ」


「そんな事ばっか気にしてたら彼女さんに嫌われちゃうよ?」


「いないから心配するな。お前こそ俺と買い物なんて見つかったら大変なことになるんじゃないか?」


「夏樹となんて噂されないよ!まぁ噂されてもいいけど...」


「それならよかった」


「もう着くよ!」


着いたのは気になってはいたけどアニメで忙しくて行けなかったショッピングモール


「おっきいな」


「ここほんとにでかい」


町に一際大きくそびえたつショッピングモールはワールドトリガーのボーダー本部の様。



まだ新しいという事とゴールデンウイーク真っ只中という事もあり家族連れで溢れかえっていた。



「お目当てのものはなんだ?」


「このお洋服屋さんと、この雑貨屋さんと...」

目当てのお店の話が止まらない花音。


「まずはどこの店へ行くんだ?」


「腹が減っては戦はできぬという事で腹ごしらえしに行くよ」


「覚えたての言葉すぐ使うんだな」


「覚えたてじゃないし!」



言われるがままに付いて行くと抹茶アイスのお店に来た。


「私はこれにする!夏樹は?」


「じゃあこれにします」


「お会計980円になります」と店員が言った。


花音の方を見ると「テヘペロ」と言う吹き出しが出ていそうな顔で見つめてくる。


「はぁ。ったくしょうがないな」




「あ~~美味しい~」


「俺に感謝しろよ。この借りはでかいぞ?」


「もう夏樹はケチだな~そんなんじゃ女の子にモテないよ?」


「はいはい」


「はいは一回!」


「はいはい」




「このお洋服屋さんカワイイ~」

目的のお店とは違う店なのにいちいち入る花音。


「長いな」

ふと漏れた本音。ラノベの主人公の気持ちが分かった気がした。


「声ダダ漏れなんですけど~」


「わ、悪い」


「謝んなくていいよ~」



その後も花音は通りかかる店に入り紙袋を提げ


その度に

「あぁ~肩が重いよ~歩けないよ」

とわざとらしい演技と上目遣いで見てくる。


「じゃあ俺は帰るから」


「え~夏樹荷物持ちしてよ」


「本音出てますけど」

俺は花音が持つ荷物を引き受ける。


「きゃ~力持ち~惚れちゃう~」


「わざとらしい演技やめろ」


「次のお店ラストだから頑張って!」



ラストと言ったお店の前に着くと神様の贈り物が目に入った

「あの椅子に座ってるから終わったら教えてくれ」


「ん~分かった~」




こんなシーン冴えカノにもあったな。なんて思いつつ花音の終わりを待つ

すると下の階にある人を発見した。



「あれ天花寺さん?」

目を凝らして見る


「んな訳ないか見間違いだよな」


「何独り言言ってんの。怖くて話かけようか戸惑った」

花音の買い物が終わったらしい。とても大きな袋を持ってきた


「じゃ帰ろっか」


「おう」



「初めて女子と買い物に来たよ。疲れたけど花音のいつも見れない一面を見れたから楽しかった」


「あ、ありがとう」


「照れたのか」


「夏樹のバカ」


「花音ならどんな服でも似合うと思うけどな」


「それセクハラ?」


「ちげーわ」




そんな会話をしていると花音の家に着いた。


すると花音が最後に買った大きな紙袋を俺に渡し

「今日はありがとう!この服着たらかっこよくなれるかもね」

と言った。


中には服だらけだった。でも花音が選んでくれた服だと思うと素直に嬉しかった。



「じゃまた!学校ちゃんと行けよ!」


「分かってるわ!バイバイ」



冗談で終わる。







これ完全に俺、倫理君(安芸 倫也)じゃん。




なんて勘違いする俺だった。





同時刻、明日の事をベッドの上でうつ伏せになり足をバタバタさせながら悩む女子がいた。



「映画の後何しよう」


「どんな服着てこう」


「何食べよう」


「何を話そう」



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