第30話 調査
夏樹side
ダイニングテーブルの4つの席にそれぞれが座っている。
緊迫した雰囲気の中俺は下を向く。そこへ雷が投下された。
「綾香ちゃんと夏樹はどう言う関係?」
背筋が凍る。俺は下へやっていた視線を花音の方へ向け口を開こうとした。その時
「これは全部私が悪いの。夏樹君は何も悪くないの!」
天花寺さんが強い口調で2人に言った。
俺は何をすることも出来なかった。
「夏樹君と綾香さんの同居した経緯が知りたいな~」
黙っていた千夏さんが言った。
「えっと...」
「少し前に...」
俺は天花寺さんの言葉を押し消すように説明を続けた。
同居することになってしまった経緯などすべてを話した。
説明し終えると2人は気まずそうにしていた。
「そ、そうなんだ...」
先ほどよりも重い空気を断ち切ったのは...
ガチャ
「夏樹、なんでこんなに女の子がいるの?」
母さんだった。。。
「これはっ、ちがっ」
「かわいい女の子たちと何をしてたの?罪な男になったわね」
母の登場によってまたもや空気が重くなった気がした。
「おばさん!」
「あら花音ちゃんだったのね~夏樹をこれからもよろしくね~」
「初めまして。夏樹君とバイト先が同じ成田 千夏です。よろしくお願いします」
「千夏ちゃん可愛いわね~これからもドジな夏樹をお願いね~」
空気を察するのが絶対にできない母さんはどんどん話を吹っかけてくる。
「それで2人はなんでここにいるの?」
「まぁいろいろあってな」と俺が答えた。
答えたそのあと少し沈黙が続き母さんはとんでもないことを言い出した。
「そうだ!2人も夏樹と住まない?」
「母さっ、ちょ、何言ってんの?」
あまりの爆弾発言に2人揃って
「え?」という声が漏れていた。
確かに部屋は余っているがそう言う問題ではない。1人異性がいるだけで気まずかったのに一気に2人も増えるなんて冗談じゃない。俺は断る方向へ2人を促す。
「2人共忙しいし無理に決まってるよね。断っても良いんだよ」
必死に断らせようとするが神様はいたずらが大好きらしい。
「夏樹とだったらお母さんも許してくれるし、丁度1人暮らししたいと思ってたんだよね~まぁ1人じゃないけど」
「私も元々1人暮らしなので暮らしなので問題ないですよ。それに夏樹君と...」
2人は断るどころか乗り気だった。そしてこのことの元凶を作ったお方が口を開いた。
「それじゃ決まりね~こんだけいれば安心ね~夏樹を頼みました~」
そう言い放って実家へ帰った。
なんで今日に限って母さんが来たんだ。。。
「花音、千夏さん断って良かったんですよ?」
「断る理由がないじゃん!」
「そうです」
息をそろえてそう言った2人。
「いやいや、問題大ありだよ...」
「これから毎日美女3人の寝起き顔が見れますね」
笑いながら天花寺さんは言った。
天花寺さんまで冗談を言うようになってしまった。
「勘弁してくれ神様。全く...」
恋ってこう言うとこから発展して行くのか?
この時はまだ気づいていなかったんだ...
”恋”
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