第4話 贈り物

  ♤


ボーリングを終えた俺と雄太はカラオケに向かう。もちろん雄太の方がスコアが高かった。


「バイト何時からだ?」


「18時から21時まで〜」


「じゃあフリータイムいけるな」


「まぁこのショッピングモールの中だからな」


そう、俺のバイト先の喫茶店はこのショッピングモールの中にある小洒落た外見の店だ。


カラオケで俺と雄太は採点機能を使い対決したりお互いに高め合ったりしていたが時間もあと10分のコールの電話がかかって来た。あ、もちろん雄太の点の方が高い。機械も味方するなんてこの世界は何なんだよ。


カラオケも終わり時刻は17時45分。バイトの時間が刻一刻と迫っている。


「じゃあな夏樹。バイト頑張れよ!また明日な」


「おう。また明日」


雄太の一言はたまに優しいだけど大体ウザイ。


「女の子には優しくしろよ〜」


うっせぇわ



バイト先のお店に向かう途中ある事件に遭遇してしまう...


  綾香side


さてと、飲み終わったし帰ろうかな。


席を立ち上がり自由の女神がコンセプトのお店を後にする。


女子高生にあの値段は結構高いのね。まぁ私は困らないけど...


出たところで私は気配を感じた。


???「ねぇそこのお姉さん。一緒に遊ぼうよ」


???「あそこの喫茶店行こ?」


「ちょ触んないでよ」


???「早く行こうよ」


「やめてよ!!!」


私は腕を引っ張られ店の前まで連れて行かれる。

騒いでいたからか周りに人達が集まって来た


とても恥ずかしかった。

嘲笑う者、同情の声、

こんなに注目されたのは平沢高校の入学式に新1年生代表で挨拶した時以来だった。


ほっんとウザイ。こんな奴世界から消えてしまえばいいのになんて思ってしまうが私は人間という生物をよく知っている。


この世から負の感情なんて消えないの


小学校や中学校でやる道徳で「いじめをなくす方法は?」なんて問いがあったけど私はなくなるなんて思ったことなかった。



この男ども3人に腕を強く引っ張られ体がよろけた瞬間私とこいつらの間に私と同じくらいの歳の男が割って入った。


「あの、人が通る所でナンパは辞めてくれませんか?恥ずかしくないんですか」



   夏樹side


俺は雄太と別れた後面倒な事が起こった。


「あぁ夏樹ぃ!久しぶり何してんの?」


「あぁ初川か。バイトだよお前こそ何してんだ」


「もう、堅苦しいなぁ花音でいいって言ってんじゃん〜」


俺の唯一と言ってもいいであろう友達で一つ下の『初川 花音』だ。


「バイトまであと15分なんだ。早く行かないと」


「えぇちょっとだけぇお願い」


「無理だ」


「じゃあさLINE交換しよ!それとインスタ!」


「いやInstagramとやらはやっていない。LINEはやってる」


「じゃあQR見せて〜って分かる?」


「バカにするな高1のくせに」


「おい今なんて言った。入学おめでとうはないの?」


「あ〜おめでとうー」


「心こもってないんですけど〜」


花音は妹気質があって昔から唯一の女友達としてよく遊んだものだ。


「じゃあな」


「バイバーイ近いうちに遊ぼうね」


「お、おう」


長々と立ち話をしてしまってスマホを見ると17:57と表示されていた

ヤベっ

店長に怒られちゃう


俺は急足でバイト先の喫茶店『あおば』につきそうになった時店前に群がる人々を目にした。人々が囲んでいたのは柄の悪そうな20歳近くの男性3名と

あれは...同じ高校の制服?


そんなの関係ない早くしないとバイトに遅れる。


「あの、〜〜」


???「おい、なんだよお前うっぜぇな。どけよ雑魚」


???「女の子助けてヒーロー気取りか?」


「いや、この店に用があるんで」


???「黙れよ」


「では店の前では騒がないようにお願いしますね」

店に入ろうとした瞬間ネクタイを掴まれた。


???「おいあんま調子乗んなよ?」

右腕を上げる男


俺は何も出来ない。

無抵抗の俺に向かってくるゴツい拳


くらうしか無かった。

「「バコンッッッ」」とすごい音がしたと自分でも分かった。


「なんで手出すのよ!!」


3人の男達に囲まれていた女子高生が震えた声でそう言った


「お前っ」

「あんた」


ぶつかった女子高生だった

いつまでも引きずりたくないが彼女の名前はわからない


俺を殴った男は俺を床に放り投げるように放した


???「なんとか言ってみろよ」


「くッッッッ」


こんな狭い場所で大丈夫かな。




「私がなんでもす」

「何も言うな。ちょっとだけ」


「ちょっとだけ?」


俺はYシャツの袖を折った


拳を強く握りしめさっきの男の腹に向かって一発打った。


男は床に尻もちをつき他の2人は驚くなり目を大きくして俺を見て2人がかりでこちらに向かってくる


俺は2人の拳を両手で一個ずつ受け止め2人の腕を捻り倒す。

関節を外せば身動きはできないはず


親が俺に昔臭い柔術を習わしていたので出来たことだが、あのままじゃ俺はフルボッコまっしぐらだったので親に感謝しないといけないな。



男達3人は店の前で倒れ込み鹿の子供のように立ち上がると走って去っていった。


「おい、大丈夫か」と俺は囲まれていた女子高生に手を差し伸べる

2日前のあの時のように...


  


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