第34話 風邪
夏樹side
学校を休んでしまった。
まぁしょうがないだろう。天花寺さん一人でいさせるのも心配だし。欠席のたかが1回で成績が変わる訳でもないだろう。
だがここで問題が1つある。
看病って何をすればいいのだ。
漫画とかではベッドの横に寄り添って優しく看病して次の日風邪になるオチが鉄板だが俺は風邪になりたいと思わない。
俺はスマホを取り出して
看病 方法
と検索する。
「結構厳しいかもな」
まずはコンビニに行きいろいろ買って天花寺さんの部屋に入った。
美しい顔立ちの天花寺さんのは俺が物音を立てて入ったのに気づき目を覚ました。
「大丈夫か?いろいろ買ってきたから何でも言ってくれ」
「あ、ありがとう。学校休んでよかったの?」
「気にするな」
俺は熱さまシートとコップに飲み物を注いで部屋を出ようとする
「夏樹君、」
かすかに聞こえた弱弱しい声に気付き振り返る。
すると「眠りにつくまでいてほしい」とさっきまで目を合わせてお礼を言っていたのにも関わらず俺と反対側の方に体を向けて言った。
「分かった」断る理由もないしそう言って俺はフローリングの上に胡坐をかいた。
特にすることも無くぼーっとしていると天花寺さんが何かしゃべりだした。
「夏樹君がいなかったらもっと辛かった。ありがとう」
こう言われた時に俺は何と返せばいいのか分からない。
「俺も天花寺さんと一緒に生活なんて考えられなかったけど天花寺さんのおかげで今はいい生活を送らせてもらってるから感謝しきれないよ」
そう言うと天花寺さんは返事をすることも無く寝息を立てた。
見せられないほどに顔を赤くした少女はこれからどうしていくのだろうか
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