嘘と祈りのレヴォルシオ

2022年10月の社会情勢と照らし合わせて読むと、面白くて怖かったです。
素敵な結末でよかったです。
小人さん可愛い。
個人的に衛星国ジャパニオが気になる……！

厳しい統制の敷かれた共産主義国家の中で、現実を見据えて体制に組み込まれてゆく姉と、理想を追って革命運動に身を投じる妹の物語。
国の体制が変転してゆくダイナミックなマクロ的視点と、二人の女性の思いと関係性というミクロ的視点がうまく両立していて、非常に内容の充実した、そしてドラマチックなストーリーでした！
お勧めです！

　共産党体制下の国家に生きる姉妹のお話。
　姉のレナが父を売り渡す所から物語は唐突に始まる。

　理由不明だが身内を保安局に突き出したことで、その冷酷さと共産党への忠誠を買われたレナ。彼女は養成学校に入り、さらにさまざまな巡り合わせを経て立身出世し、共産党独裁体制の国家で体制側として長じていく。
　一方で、妹のマヤは身内の密告という失意に打ちのめされたが、やがてそこから立ち上がり学生運動へと身を投じていく。彼女もまた活動の中で数奇な巡りあわせを経て頭角を現し、国の民主化運動の中心メンバーとなっていく。

　共産党独裁体制を維持したい姉。
　それを打倒して自由を手に入れたい妹。
　二人の道は分…続きを読む

異世界ファンタジージャンルにありながら、その世界はかつて、私たちのそばにあったような地続きの世界。第二次世界大戦後の冷戦時代の歴史を知る者ならニヤリとする様な地名や人名に満ちたストーリー。そのなかでそれぞれ権力側と反体制側についた姉妹がこれからどう対決していくのか……？仄暗く血生臭い予感を帯びた物語ですが、期待したいと思います。