インキュバスって確か、ザ・女の敵って感じの悪魔だっけ
貧乏貴族の娘、シアン=アルスター。彼女は少しでも家計を支えようと、学校帰りにバイトを探しているが、どれも断られてばかり。
ある日彼女はふとしたことから、学園屈指の異常なまでのモテ男、エルヴィン=オウマと話をするが、何だか少し様子がおかしい。
すると後日、彼がシアンの家へとやって来てこんなことを言ってくる。
曰く、オウマ家の先祖はインキュバスと言う悪魔で、自分の異常なまでのモテ方は、インキュバスの持つ魅了の力によるものだと。
そして、高名な悪魔祓いであるあなた方に、その力を押さえ込む方法を探してほしいと。
だけどここで問題が一つ。
確かに、かつては悪魔祓いとしてその名を馳せていたアルスター家。しかし現在は廃業したどころか、もはやシアンやその家族は、これまで悪魔の存在すら信じてはいなかった。
それでも、多額の報酬を得るため、シアンは依頼を受けることを決意。
幼馴染の天才にしてオカルトマニアであるホレスに知恵を借りたところ、シアンの精気を吸い取り、力をコントロールする方法を学ぶことで、押さえ込むことも可能なのではないかと推論を立てる。
しかしオウマは、シアンの身を案じてそれを拒否。一度は他の手段を探そうとするが、シアンの説得によりその方法を試してみることを決意する。
少しずつ、力をコントロールするための特訓を重ねるが、最近シアンとオウマが一緒にいることが多いため、二人が付き合っているのではという噂が学園で流れ始めた。
否定するシアンだが、学園の女王とも言うべき存在エイダが、嫉妬にかられシアンを誘拐。閉じ込めた挙句、配下の男達を使って危害を加えようとするが、そこにオウマが駆けつける。
オウマは悪魔の力を使い男達を一掃するが、その際に大きな怪我を負ってしまう。
しかしシアンが口づけにより大量の精気を彼に渡すことで傷は癒え、更にはずっと求めていた、力をコントロール術を身に付けることにも成功する。
オウマが力をコントロールできるようになったことで、シアンが受けていた依頼も終了。そのはずだったが、シアンはオウマを見ると、胸がドキドキと高鳴るようになってしまう。
もしや、実は力のコントロールは上手くいっていないのではないかと考えるシアンだが、オウマにそれを告げることができずに、二人の関係はギクシャクしてしまう。
しかし学園でパーティーが行われているその日、シアンはついに、オウマに全てを打ち明ける。
だがそこで、一緒に事情を聞いていたホレスが、インキュバスの力に関係なくオウマを好きになっただけではないかと言ってくる。
それにより、自らの恋心に気付いたシアン。オウマも、実はシアンのことを好きになっていて、互いに想いの通じ合った二人は、晴れて恋人同士となるのだった。