概要
それは「誰も進んでやりたくないけれど、でも誰かがやらなければならない仕事」をする部署である。
この係に配置されて七ヶ月の上沢詩織は、その日も上司である鷹取と共に、行方不明者を捜索していた。
対象は19歳の女の子。名前は園田エリカ。捜査を重ねる中で、エリカは「夜の仕事」に就いているかも知れない事実を突き止める二人だったが──。
これは「貧乏くじ係」と蔑まれる部署で、粉骨砕身、昼夜を問わず働き続ける、決してヒーローにはなれない名もなき警察官たちの物語である。
※この物語は全部フィクションです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!誇りを持って働く警察官たちの物語
物語の主人公は、生活安全課防犯係の上沢詩織。上司の鷹取と共に行方不明者の捜索をしている。猪突猛進タイプの詩織と常に冷静な鷹取のバディがすっごく良い!班長の谷上も頼りがいがあって、応援したくなる警察官たちです。
フィクションなのに「どこかで起こっているかもしれない」とリアリティが感じられて、とてもわくわくさせられます。「貧乏くじ」と呼ばれる部署で、誇りを持って働く彼女たちの姿はとにかくかっこよくて胸アツ…!
法律は知っていて損はありません。法律の知識があることで、自分だけではなく誰かを守ることにも繋がります。もっと勉強しないとなぁと思わせてくれる作品でした。
最高に面白い警察小説でした! - ★★★ Excellent!!!ライトな警察小説を読みたいアナタにおすすめ
この作品を一言で言うなら、「シャンパンみたいにライトな口当たりの警察小説である」ってところでしょうか。
ヘヴィなものを敬遠している人でも安心して読めます。
残虐な死体やドン引き級のヴァイオレンスなどは一切ありません。
エログロもありません。警察小説なのに極めて健全、子供にも読ませられます。
それもこれも生活安全課防犯係という特殊な部署ならではなのかな?
なんなんでしょうね、この作者さん警察関係者?
やたらと詳しいです。
「ヘヴィな事件」になる前にそれを察知して未然に防ぐ、そういう繊細な部分が求められるこの部署を支えるのは、クマみたいな体格の声が無駄にデカい(態度もデカい)肝っ玉の据わった班…続きを読む - ★★★ Excellent!!!知られざるヒーローの使命。事件を未然に防ぐことは、誰かの人生を救うこと
本作は、行方不明者の捜索など『事件になる前の事案』を担当する、生活安全課防犯係の物語です。
主人公たちの仕事の様子がものすごくリアルで、一般には馴染みの薄い専門用語や法律もバンバン出てくるのに、びっくりするほど読みやすい。
綿密な取材もさることながら、この凄まじいリーダビリティの高さは作者さまの筆力によるものでしょう。
展開の緩急とテンポが素晴らしく、次へ次へと読んでしまいました。
彼らにとっては「日常」の業務であっても、一般の人は人生に一度でも警察官のお世話になったら結構な大ごとのはず。
『事件を未然に防ぐ』のが、防犯係のお仕事です。事件にならなかったことで、人生を救われた人もきっとい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!面白い! 名もなきヒーローたちの人間ドラマ!
生活安全課防犯係。
作者さま曰く、忙しい割には全く日の目を見ない部署らしい。
これは、警察組織の中でも「なんでも屋」「貧乏くじ係」といわれるような部署の警察官の、たゆみない日常の一部を切り取ったかのようなリアルな物語である。
真っすぐな熱さをもった詩織と、不器用な優しさをもった鷹取部長。この二人を中心につづられていく物語は、
生きる中で、時にもがくような思にもなるような時に、誰かの思いが、存在が 暗闇におちそうな一線を踏みとどまったり、不安の中にも先に進む勇気をくれるのだと、思わせてくれる。
体を張って、一見無駄にも思えるような地道な努力を続けてくれている警察官の思いが垣間見えるような、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!他とは少し違う警察系小説
略すと『こち瓶』。どこかで見た気がしますが、それはさておき──
キャッチコピーの『自称、カクヨムで最もリアルな警察小説』。
それに嘘偽りはありません。
作者さまの近況ノートに『取材だけはめちゃくちゃしましたので」という一文がありました。
リアルさはそういうところからきているのだと思われます。
取材して執筆? 警察に取材できるコネがあるの?!
作者さまは何者なんでしょうか。
主人公たちは世のため人のために頑張っています。
ときには自分自身と葛藤しながら。
起きる事件にはさまざまな事情がありますが、最後は見事に解決されて、ふう……と一安心できます。
小さな事も地味な事も、ぜんぶ大切な事なん…続きを読む - ★★★ Excellent!!!本物のヒーローは日常の中に
誰もやりたがらない。しかし、誰かがやらなければならない。
数ある警察の部署の中でも、その性質上『なんでも屋』『貧乏くじ係』と揶揄される生活安全課防犯係。
多忙をきわめる部署にもかかわらず、日の目を見ることのないその係に配置されて七ヶ月。今日も今日とて行方不明者を捜す主人公の詩織はため息が止まりません。
ただ、ひと口に行方不明者といっても、その事情は千差万別です。
早急にみつけださないとまずい案件もあれば、いや、これはむしろ、みつからないほうがいいのでは……? というものも。
ため息をつきつつも、ひとつひとつの案件に体あたりでぶつかっていく詩織。まっすぐすぎて少々危なっかしいの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!探せ行方不明者! 生活安全課防犯係の奮闘劇
警察を題材にしたお話と聞いたら、どんなものを想像しますか?
殺人事件を捜査して、真相を究明する刑事もの? それとも、交番勤務のお巡りさんのお話?
本作でスポットを当てるのは、生活安全課防犯係。主人公の詩織は、上司である鷹取部長と共に、今日も行方不明者の捜索に汗を流します。
家出だったり事故だったり、何らかの事件に巻き込まれたり。事情は様々ですけど、いきなり姿を消す人って意外と珍しくなく、心配する家族は警察を頼ります。
けど、大きな事情を抱えているがために行方をくらます人も多いのですよ。見つけて終わりではなく、その人が抱えている問題に決着をつけないと、本当の解決にはなりません。
普段は元気…続きを読む