第5話 ボディチェック

 今日は彩愛先輩の家にお泊り。


 晩ごはんを食べて部屋でしばらくダラダラした後、シャワーを浴びるため二人して一階に下りて脱衣所へ。



「あんたのブラ、スイカを運ぶのに使えそうよね。それも、立派な大玉スイカを」



 ブラのホックに手をかけたところで彩愛先輩にからかわれ、返事代わりに脇腹へ肘を打ち込む。



「ごふっ! い、いきなり肘って……清純そうな見た目して、やることがエグいわ」



「すみません、肘が滑っちゃいました」



「肘が滑るってなに!? まぁいいわ。それより、あんたってホントに脂肪が胸に集まるのね」



 彩愛先輩は脇腹をさすりながら私の背後へ移動し、おもむろに左右から腰を鷲掴みにしてきた。


 本当なら頭を後ろに振って頭突きをお見舞いしたいところだけど、さっきはさすがにやりすぎたと反省している。ここは我慢しよう。



「うわぁ……キュッと引き締まってくびれまで作ってるくせに、ほどよくぷにっとした触り心地。手のひらに吸い付くような質感がまたなんとも……」



 腰だけじゃなくお腹の方までベタベタ触り始め、撫でたり揉んだり突いたりしながら感想を漏らす。


 邪魔だなぁと思いつつも褒められて嫌な気はしないので、このままブラとパンツを脱いでしまう。



「彩愛先輩、いつまで触ってるんですか? 早く脱いでください」



「素っ裸の状態で先輩に早く脱げって命令するとか、相当なド変態ね。幼なじみとして恥ずかしいわ」



「はぁ……膝、食らいたくないですよね?」



 言いたい放題な先輩に呆れと怒りが募り、溜息混じりに警告する。



「わっ、分かったわよ! 脱ぐ! いますぐ脱ぐから落ち着きなさい!」



「分かればいいんです。だいたい、裸を見ただけで詳細なデータが把握できる無駄な特技があるんですから、わざわざ触らなくてもいいじゃないですか」



「救いようのないバカね。感触は実際に触らないと分からないわよ」



 な、殴りたい……!


 固く握った拳にさらなる力が込められ、プルプルと震える。


 すーはーと何度も深呼吸を繰り返しているうちに彩愛先輩の脱衣が完了し、浴室の扉を開けて中に進む。



「というわけで、シャワーを浴びながら胸の感触も確かめさせてもらうわね」



「はいはい」



 もうツッコむのも面倒臭いので、適当にあしらっておく。


 この後、信じられないぐらい執拗に触られた。

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