概要
恋の炎に身を焦がし、心は狂気に燃え盛る。
天和の大火によって焼け出され、檀那寺に身を寄せていた八百屋の娘お七。そこで出会った若衆の青年佐兵衛と恋に落ちるが、周囲の目によって引き離されてしまう。
一方、八百屋に出入りしていたならず者吉三郎はそんなお七の恋心に目をつけ、恋文を渡す手伝いをすると言って金をせびる。しかし、お七の純真な心に触れるうち、いつしか彼もお七に惹かれるようになり…
※井原西鶴『好色五人女』、馬場文耕『近世江都著聞集』など、八百屋お七にまつわる文芸や伝説を下敷きに独自改変を盛り込んだ作品となります。
一方、八百屋に出入りしていたならず者吉三郎はそんなお七の恋心に目をつけ、恋文を渡す手伝いをすると言って金をせびる。しかし、お七の純真な心に触れるうち、いつしか彼もお七に惹かれるようになり…
※井原西鶴『好色五人女』、馬場文耕『近世江都著聞集』など、八百屋お七にまつわる文芸や伝説を下敷きに独自改変を盛り込んだ作品となります。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!美少女お七に心狂わされるオッサンに心狂わされる、「新時代」の時代小説。
美しい町娘お七。
薄幸の美少年佐兵衛。
やくざ者の悪いオッサン吉三郎。
主人公と言える立場のキャラクターはこの三人ですが、一番容赦無く私の情緒をメチャクチャにしてきたのが吉三郎のオッサンです。
吉三郎の行動は、冷静に見ればちっとも筋が通っておらず、「何やってんだこのオッサン」と思わせるほどに一貫性がありません。なのに、時代背景も含めて丁寧に辿られる彼の心情・状況を追っていくと、『そうならざるをえなかった』ことが痛いほどよくわかる。いつのまにか彼を気にかけ、応援してしまっていることうけあいです。
その意地の悪さや天邪鬼さに本気で腹が立った次のシーンで、一転、心底このオッサンが愛おしくなっていま…続きを読む