スパリゾート オアシス御殿場

「オアシス御殿場」は、御殿場市にある温浴施設です。JR御殿場線の乙女口から徒歩15分、車でしたら東名御殿場ICから5分ほどにある温浴施設です。


温浴施設には様々な施設があります。あるんです。あるんですが、中には「なんで?」と言いたくなるような意味の分からない情熱というかスケールというか、システムというか、そういう熱量を感じるヤバい施設が時々あります。それです。その施設の一つが、このオアシス御殿場です。


オアシス御殿場の外観は、ひなびた観光地のビルといった景観です。おなじみの靴箱に靴を入れ、カギを持って受付を済ませましょう。ロッカーキーを貰ったら、3F(女湯は4F)の浴室へと向かいます。


この浴室までの階段なのですが、異常に階段のカーペットがフカフカなのです。靴箱に靴を預けているので靴下のまま行く事になるのですが、やけにフカフカで「なんか丁寧だなあ」と若干申し訳なくなるくらいフカフカなのです。


ロッカーに荷物を預け、タオルいっちょになったら大浴場に向かいましょう。大浴場に入って目の前は水が糸のように流れる謎のバー。何? と思いますが実はこれ、プールのシャワー的なものなのです。


なんでプール? と思いますよね。でも、あるんです。オアシス御殿場の大浴場はかなりの広さなのですが、その中で一番大きなスペースを取っているのは、水流付きのプールなんです。流れているのは水。お湯ではありません。サウナ用の冷たい水なのかな? と思うかもしれませんが、違います。シンプルに流れるプールなのです。


なぜ温浴施設にプール? その理由は……わかりません。とにかくあるのです。プールが。おじさんが行った時も、おそらくは膝か腰をいわした大先輩が、プールでリハビリを兼ねて歩いてらっしゃいました。全裸で。


そのプールの横に、白湯と言っていいのかどうか、普通のジェットバス付きの湯舟もあります。こちらも普通の温浴施設的には十分な広さではあるのですが、プールのインパクトにやや押され気味なのです。


のっけから押され気味ですが、おじさんの目的はサウナだ。体を洗ったら、若干戸惑いながらもサウナ室へと向かいます。


サ室の温度は100℃ほど、 15人くらいが入れる広々とした部屋です。いわゆる昭和カラカラ系のサウナ室なのですが、特筆すべきは、その「のびのびさ」です。


のびのびしてるんです。サ室のひな壇の各段のスペースが。通常、広いサ室のひな壇は、各段に座った皆が行儀よく背筋を伸ばして座れるくらいの奥行きを確保しています。皆が行儀よく汗をかけるようにきちんとしていてくれているわけですね。


でも、違うんです。オアシス御殿場のひな壇の奥行きは、胡坐をかいて座っても十分まだ余裕があるくらい広いんです。何? 身長の平均が2mある民族が作ったサウナ室? というくらい広々しているのです。行儀とか関係なく、ダラッとしていようが何だろうが、思うままに蒸されるだけのスペースがあるんです。どう言ったらいいんでしょう、この感覚。「好きにしていいよ」と言われて、本当に好きに出来るだけの広さがあるというか。


あれでしょうか、バブル景気の頃のゴージャスさと言うんでしょうか。おじさんも良く知らないのですが、そんなゴージャス感を感じる広さなのです。


そんなやけに広々としたサ室で存分に蒸されたら、水風呂に向かいましょう。水風呂はサ室を出てすぐ。これもまた広々としています。水温は16℃で、この地域おなじみの富士山の伏流水由来の水をかけ流しで入れてくれています。正直、水風呂というか施設全般が大雑把な作りなのですけど、ものすごく水の質が良いのです。めちゃくちゃ気持ち良いのです。


そして、存分に冷えて休憩に移るのですけど、ここもまた凄い。普通に休憩する場合には、そのまま露天に出て風に吹かれながら外気浴を楽しむこともできるのですけど、水風呂のすぐ横には、いわゆる「ぬる湯」の炭酸泉が。36~40℃ほどの体温とほど近い炭酸泉は、休憩にうってつけなのです。


サウナと水風呂でびっくりした肌を休めるのにはうってつけ。その上、炭酸のシュワシュワとした感触も肌に心地いい。そんなお湯を存分に味わいながらぐったりと休憩していきましょう。


そんなサウナ体験を済ませたら、何か食べたいところです。そう、サ飯タイムですね。近隣施設に食べに行っても良いのですが、実はこのオアシス御殿場、サ飯というか、普通にご飯のレベルが高いという評判の施設でもあるのです。サウナ後の感覚がビンビンになっている時であれば、食べない手はありません。


おじさんのお勧めは、富士山もつカレーです。なんて言うんでしょうかね。最高なんです(語彙消失)。


ここをホームにしている方も多いんだろうな、という他にはあまりなく、そして、気持ちのいい施設なのです。とにかく、温浴施設としてはいろいろなんです。白湯が占める割合が少なすぎるというか、サウナ関連の占める割合が広すぎるというか、食事が美味しすぎるというか。正直、そこがまた、魅力となっている不思議で、間違いのない施設なのです。


いつもの温浴施設とは一味違った体験をしたい方、そうではなく、普通にレベルの高いサウナ体験をしたい方にもお勧めな、ちょっと尖った温浴施設、それがオアシス御殿場なのです。

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