ふじやま温泉

「ふじやま温泉」は国道139号線を静岡方面から山梨方面へと走らせた途上に位置する温浴施設です。富士五湖で言うと河口湖のあたり。各種のジェットコースターで著名な「富士急ハイランド」の隣の施設、といった方がピンと来るかもしれません。ちなみにこの2つの施設、運営会社も一緒です。


139号を折れ、富士急ハイランド側ではなくホテル側へと向かった先が駐車場です。駐車券を取り、奥へと進んで車を止めましょう。温泉フロントに行く際には駐車券を持っていくと、駐車料金の処理もしてくれます。


フロントに靴箱の鍵と駐車券を渡して登録してもらったら、浴場へGOです。広々とした浴場は、なんと木造。デカい木組みの天井は見るだに壮観です。そしてお湯。白湯に炭酸泉にジェットバスに寝湯。さらには富士山麓ではおなじみのバナジウム泉まで。もちろん水風呂もあります。


まずは洗い場で体を清めていきましょう。ふじやま温泉のシャワーは、他の施設に比べてシャワーヘッドが一回り大きいです。デカい。そして強い。ブショワーと勢いよくお湯が出ます。普段の倍くらいの水量、そして水圧を堪能できます。既に気持ちいい。


水分を拭き取ったら温泉……ではなくサウナ室にGOです。最近リニューアルしたというサウナ室は10人ちょっとくらいが入れる広さ。3段のひな壇になっています。そのうち1席はリクライニングソファのように背もたれ付きでぐったりできるようになっています。


リニューアルして間もないからでしょうか。室内は木の良い香りが立ち込めています。3束ほどヴィヒタ(白樺の葉枝を束ねたもの)も吊るしてあったのですが、それよりも木材の香りの方が立っているほどです。


壁には「サ道」でおなじみのタナカカツキ先生によるタイルアートが。近い場所から見るよりも、少し離れてみる方が見やすいです。そして、部屋の隅には高々と聳えるサウナストーンの塔。高架を支える柱のようなな姿のあのストーブは、そうです、サウナ好きにはおなじみのikiストーブがどっしりと鎮座しています。


その上には何やらスポットライトと円盤上の設備が。実はこちらの施設、決まった時間になると、サウナストーン上方の円盤から水が噴き出して蒸気を発生させる、いわゆるオートロウリュ型の施設なのです。円盤状の設備は、水が噴き出るシャワーというわけですね。


早速ひな壇に座って蒸されて行きましょう。室温は90℃ほど。湿度はわかりませんでしたが、体感でそこそこありました。鼻の奥や口がピリっとするような感触は無く、マイルドな肌触り。温度も湿度も、なかなかに高めのセッティングという印象です。


TVはなく、ゆったりとしたBGMが流れています。しばらく蒸されていると、スポットライトがちかちかと点滅し始めます。これは……!顔を上げると、円盤から噴き出たシャワーがサウナストーンへと落ちていきます。たちまちジュワアアアア…と音が広がり、ややあって、天井方向から熱波が降りてきます。気持ちいい。


しばらく熱波を堪能したら、水風呂へGOです。水風呂は15℃ほどのバナジウム水とのこと。しかし、入ってみると物凄く冷たく感じます。バイブラがあるわけでもないのですが、とにかく冷たい。久しぶりにつま先が痺れるような冷たさです。その冷たさに身を任せ、存分に冷えていきましょう。


喉を通る息にも、かすかに冷たさを感じるくらいになったら、ころあいです。露天へと向かって休憩しましょう。広々とした露天には、いろいろな椅子が用意されています。ベンチにひじ掛け付きのおなじみの椅子に、キャンプ用の椅子。そして、大きな木製のデッキチェア。


デッキチェアに、半ば寝転ぶようにして目を閉じれば、梅雨の曇り空もなんのその。気持ちのいい何かが背中から頭のてっぺんに向けてすっと抜けていきます。いやあ、最高ですね。何セットか堪能して、ぞんぶんに整っていきましょう。


サウナ後の食事は、館内2階にお食事処が用意されていますが、139号線に出てもよりどりみどりです。何せ、隣に富士急ハイランドがある行楽地。いろんなお食事が選び放題なのです。


フロント奥にはちょっとしたお土産コーナーもありますので、山梨といったらおなじみの信玄餅や「サ水」なるミネラルウォーターを購入していくのも良いでしょう。


ちなみに、オートロウリュは30分毎とのこと。ロウリュを経験してみたいけど、熱波師さんとコミュニケーションを取りながらというのはちょっと気兼ねしてしまう、という方にもお勧めですね。あの熱波の気持ち良さ、ぜひ体験してみて下さい。

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