サウナグッズや小物にときめく

おじさんは何かの用途に特化したグッズが好きだ。コーヒー豆やスパイスを挽く専用の大小のミルだとか、アイスクリームを掬うディッシャー、お蕎麦を切るのに使う蕎麦切り包丁。「あれにもこれにも使えます」というものより、「これにしか使えません」という一点特化型のグッズがいい。その方がシンプルで、独特で、いびつなようでいて、その実、機能美があり、ときめくのだ。


サウナ関連にも、他の機会ではあまり見ることのないグッズがいくつかある。


■サウナタイマー(12分計)

サウナ室には必ずと言っていいほど時計がかかっている。何分入っているのかを把握するためだ。この時計、一見すると、普通のアナログ時計と同じ見た目だ。1~12の数字が円周上に配置され、中心から伸びた大小の針がぐるぐる回って時間を示す。が、実はこの時計、1周で12分なのだ。短針は分を表し、長針は秒を表す。


1周回るまで、つまり、12分も入っていれば、大抵はホカホカだ。存分に汗をかいたのであれば、長居は無用。しかし、体調次第ではあまり汗が出ず、ついつい長くなってしまうこともある。そんな時でも12分計を見ていれば、あれ、ちょっと長居しすぎかな、と、気づく。


おじさんはサウナ室に入ったら、まず12分計をちらりと見て、開始時間をチェックします。そして、だいたい1周するかな、くらいまで入ります。その時点での温まり具合によって、「今日は体調いいな」とか「時間経ったけどあまり汗が出ないな。無理しないようにしよう」だとか判断しています。客観的なものさしなのです。


■ゴツい木枠の砂時計

砂時計は湿式のサウナに多い印象がある。サウナタイマーなどの機器であると、材質の関係上、湿気により腐食してしまいやすいせいかもしれない。大抵はがっしりとした木枠付きで壁に嵌め込まれていて、くるりと回転できるようになっている。用途は、言わずと知れた時間計測だ。砂時計の大きさによって、分数は変わってくるが、熱気を浴びながら砂が落ちるのを無心で見つめていると、なんだか禅めいた心境になってくる。茶室系の静かなサウナに似合うと思います。


■サウナマット

サウナマットは、段に腰掛けたり、寝転んだりする際に敷くマットやバスタオルだ。大抵は店員さんが敷いてくれてある。中には、サウナ室の入り口や隅のほうに新しいサウナマットが積んであり、自分で好きに敷きなおして座れる施設もある。


変わり種としては、サウナの入り口に専用の腰巻やサウナ用パンツを置いてある施設もある。股間を隠すというよりは、流れてくる汗を残さないようにするためのグッズだ。汗はかきたいが、サウナマットを汚すのは気が引ける、という場合には積極的に利用していこう。


■サウナハット

マットではなくハット。帽子だ。サウナハットはウールなどで作られた、サウナ中に被る専用の帽子だ。サウナ室は温められた空気の性質上、高い場所が一番熱い。つまりは、おじさんたちの頭の個所が一番熱い。体や足はそんなに温まっていないのに、頭だけ熱くなってしまい入っていられなくなるのはもったいない。さらに言えば、健康上もよろしくない。


そこで、頭を保護するために被るのがサウナハットというわけだ。このサウナハット、デザインもいろいろあって見た目に楽しい。おじさんもシンプルなペンキャップみたいなタイプの物を持っています。ただ、ご近所ではあまり使っている人を見かけないので、使うのに少し勇気が必要だ。それでも、温度高い系のサウナ室に入るときには、持っていく。せっかくだし、気持ちよく汗をかきたいのです。


■ラドルとバケット

ロウリュの際に使う柄杓を「ラドル」、桶を「バケット」と言う。ラドルは、離れた位置からサウナストーンに水をかけられるように、柄が長く作られている。バケットはまあ、バケツですよね。でも「ラドルとバケット」と呼ぶと、何かこう、ロウリュに神聖感が出ていいと思います。


■ヴィヒタ

ヴィヒタとは、白樺の若い枝をまとめた物だ。ルックは若木の葉っぱで作ったはたきや団扇といったものになる。あるいは、三国志で諸葛亮が持っている白羽扇みたいな形だ。


何に使うかと言うと、水に着け、体をパシパシと叩くのだそうだ。ヴィヒタの香りと成分から来る減菌・保湿作用、そして、表皮を叩くことによる血行促進効果が期待され、たいそう気持ちが良いそうだ。


サウナの本場、フィンランドでは「ヴィヒタ抜きのサウナは塩抜きの料理」という言葉があるほど、相性の良いグッズだとか。


そうだそうだ、と、伝聞調なのは、おじさんはヴィヒタを体験した事がないのです。

なんでも、サウナ室に釣るしておき、その香りを楽しむ、という用途にも向いているとのこと。ちなみに、ヴィヒタで体を叩く行為は、「ウィスキング」と呼ばれるそうだ。一度は体験してみたい。


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などなど。いろいろなサウナグッズを紹介してみた。その他にも、ハンドタオルやバスタオル、お風呂セット用のメッシュのバッグに乳液など、こまごましたグッズを自分なりに揃えるのも楽しいもの。


「まずは形から」派の方、こういったグッズ方面からサウナに触れてみるというのも、アリだと思います。

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