新稲子川温泉 ユー・トリオ

新稲子川しんいなこがわ温泉 ユー・トリオ」は、富士宮市の稲子いなこという地域にある温泉施設です。おじさんの住んでいる場所からは、ひと山超えるような場所に位置しています。そのため、たどり着くまでの道は、S字カーブの連続する曲がりくねった山道です。車がすれ違うのも厳しいくらいの細い道を、忙しくハンドルを切って、登ったり降ったりです。


辿り着くのは稲子川を擁する渓谷。その川沿いに建てられた秘境の温泉感あふれる施設がユー・トリオです。以前ご紹介した天母あんもの湯が「山のサウナ」だとすれば、ユー・トリオは「谷のサウナ」なのです。


まずは券売機で入場券を購入しましょう。入場券はなんと、1.5時間で510円。破格です。お値段もさることながら、90分という長さがポイントです。時間を気にせず存分に蒸される事ができるのが嬉しいですね。ちなみにこの入場券、出るときに受付に渡すシステムになっていますので、忘れずに取っておきましょう。


サウナ室は浴室の隅に位置しています。こじんまりとした部屋で、ひな壇は2段。入れても6人ほどが限界かな、という広さで、温度は75~80℃です。窓もTVもBGMもなく、静かな茶室系のサウナになっています。


部屋の大きさのためか、サウナストーブとの距離が近く、表示温度を上回る熱さを感じられます。いい汗かけたし、頃合いかな? と思ってサウナタイマーを見ると、いつもより短い時間でびっくりすることも。


蒸された後には水風呂に入りたいところですが、ありません。サウナ室の出口横のシャワーを使って水を浴びましょう。シャワーの水圧も普通なので、水風呂・冷却マニアの方にとっては少々残念ですが、頭からざぶざぶと水を浴びるのは気持ちのいいものです。


シャワーを浴びたら、露天スペースに設置してある椅子で休憩しましょう。外に見えるのは木々と、一面の山。さすが谷底です。山しか見えねえ。一面に広がる緑を見ながら、ゆっくりと休みましょう。


景色を特に気にしない方であれば、一度体を拭いて、脱衣所の長椅子に腰掛けて休憩しても良いでしょう。温浴施設独特の、床置きの大きな扇風機がベンチの方を向いています。全身に風を浴びながら休憩していきましょう。


数セット楽しんだ後のサウナ飯は、併設されているお食事処で。駿河湾で水揚げされる、桜えびやしらすを使ったお蕎麦や釜飯が人気のメニューです。桜えびとしらすって、大抵セットで扱われるんですよね。


そしてそして、建物を出てからがユー・トリオのもう一つのお楽しみです。玄関を出て階段を降りると、すぐ傍には稲子川が流れています。道を挟んだ場所にある堤防には、河原へと降りる階段が。つまりは、川辺で涼むことができるのです。なんなら、そのまま川に入って川遊びに興じる事まで。


ホカホカの身体のまま川辺に座り、川面を撫でて冷たい空気を運んでくる風を浴びるのは、なんとも気持ちがいいのです。目の前にはきらきら光る稲子川と山々。耳には川のせせらぎと野鳥の声が。のんびりできる、いい場所なのです。川のほとりって、独特の空気感がありますよね。


ちなみにこのユー・トリオ、普通の温泉だけでなく、温泉プールや足湯、バーベキューのできる野外スペースまであるのです。ご家族や友人たちと一緒に、バーベキューや川遊びに来るのもお勧めです。そして、隙を見て蒸されたいというおじさんにとっても、優しい施設であるのです。


辿り着くまでの道のりは、半端ない山道で苦労しますが、辿り着いた渓谷では、かなりのんびり過ごせますよ。川辺の風景が好きな方も、是非。

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