天然温泉ざぶ~ん(改装)

「天然温泉ざぶ~ん」は、静岡県の東部、沼津市にある温浴施設です。国道一号線を走り、原という地区の交差点を北側に入ったあたりにあります。


こちらの施設、以前にも紹介しましたが最近改装されたのです。それも、サウナ中心に。以前はカラカラ系のサウナと、いわゆるミストサウナがあったのですが、ミストサウナの方を全面改装したのです。その名も「熱風サウナ」。


20~25人ほどは入れる3段のひな壇は、それぞれがゆったり胡坐をかけるほど広く、その眼前に鎮座しているのはMETOSさんのIKIストーブのタワー! あの石が積みあがっている円柱状の奴です。中に入っているのはケルケスさんのセラミック製サウナストーン。おにぎりのようなルックでごろごろと積みあがっています。TVは無く、静かなサ室です。


おじさんたちが静かな部屋に黙って座り、神妙にストーブと正対している様は、ちょっとしたミニシアターのような雰囲気があります。ただしおじさんたちはみな全裸。流れている音楽は微かなストーブの音のみですが。


そして、30分に一度訪れるのがオートロウリュ。ストーブがライトアップされ、上から水が流れ落ちます。ジュワアアアア…と、耳に来るサウンドが響き渡り、その後にゆっくりと熱波がおじさんたちの頭上から降り注いで……来ません。降り注いではこないのです。


そう、ここは「熱風サウナ」。天井にミニシアターのプロジェクターの如く配置されているのは風を送る専用のダクト(通称、バズーカ)。ロウリュのサウンドを少し聞かせると、バズーカから熱風が噴き出します。上から降ってくるのではなく、横から吹き付けるかのようにおじさんたちを襲う熱波。熱い。シンプルに熱い。ぐっと手を握りこまないと爪の付け根はジンジンと痛み、乳首は取れるのではないかと思う程熱せられます。


熱風は1分間続き、その間おじさんたちは無言で風に吹かれ続けるのです。そして風が止み、無事、生き残ったおじさんたちに訪れる安堵感と奇妙な一体感。俺たち、また生き残ったな。汗みずくのおじさんたちは瞬間、笑みを交わし、ある者は水風呂へ直行し、またある者は残りロウリュをゆっくり全身で味わうのです。


この熱風がちょっとですね、なかなかできない体験なんですよ。熱風が吹いていない状態でもサ室の温度は100℃を超え、最上段はそこそこ熱い状態です。しかも、30分ごとにオートロウリュをしているため、湿度もあり、鼻やのどにピリピリ来ることのない、しっとり系でむっくり熱い状態で、もの凄く気持ちが良いのです。


その上、熱風まで浴びれるのです。いやあ、贅沢ですね。熱風が熱すぎるという場合にもご安心を。なにせ広いサ室のひな壇は3段。1段目、2段目に座ればバズーカからの風は直撃せず、程よい蒸気が降ってくるのを楽しめます。なんていうか、もの凄く「ちゃんとしている」サ室にリニューアルされました。


そして、十分に蒸されたら水風呂です。水風呂は相変わらずじっくりと肩まで浸かれる良い水風呂です。水温は14℃ほどでしょうか。寒い季節に入るにはちょっと冷たいかもしれませんが、熱風に吹かれた後ですと気持ちが良いのです。


存分に冷えたら、露天の小上がりに置いてあるリクライニングチェアでぐったりしましょう。リニューアル後はいわゆる「ととのい椅子」に加え、ぐっと深くリクラインニングできる、いわゆる「インフィニティ・チェア」も置いてくれています。これも気が利いていてうれしいですね。


サウナを中心にリニューアルされたそうですが、本当に、凄く気持ちの良い施設になりました。ありがたや。


そしてサ室を後にしたら、沼津のご飯を食べに繰り出すのです。


リニューアルをし、より気持ちよい施設になったざぶ~んさん。静岡県の東部に来る機会があれば、お風呂候補としていかがでしょう。

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