薪というアイテム

普段サウナに入る際にはまったく気にすることはないですが、自分でテントサウナなどの薪ストーブを使ってみると気になるアイテム、それが薪です。


薪ストーブはその名の通り、薪を熱源にしてテント内を温めるわけですが、ここでポイントとなってくる要素が3つあります。1つ目は木の種類、2つ目は大きさ、そして3つ目は乾き具合です。


木の種類は大きく分けて2通りです。杉やヒノキ等を代表とする針葉樹と、ブナやクヌギ等を代表とする広葉樹です。この2つは、燃え方が違ってくるんです。


ざっくり言うと、育つのが早い針葉樹は、短時間で高火力で燃えます。それに対し、じっくりと大きくなる広葉樹は、ゆっくり時間をかけて燃えます。火力的には、針葉樹の瞬間火力には及びません。


一般的に、室内を温める薪ストーブでは、広葉樹の薪が好まれます。安定した温度で長く部屋を暖めるのに向いているわけですね。


サウナストーブの場合も同じで、広葉樹系の薪があると、ストーブにかかりきりになることなくのんびり入れるため人気があります。


では、全部広葉樹系でいいのかというと、いいんです。ですが、ロウリュをして温度の下がった状態を早く回復したい場合や、冬場のスタート時に手っ取り早く熱くしたい時などは針葉樹の薪の方が話が早いです。それに、お値段も針葉樹系の薪の方が安いのです。


薪を燃やすときには、目的や用途によって大きさや太さを変えていきます。ストーブ内のメイン熱源として長く燃えて欲しい場合には太い薪を、火の焚き付けに使いたい時は細い薪を。


鉈でスコーンと割って焚き付けを作っていくわけですが、これは針葉樹の薪の方が圧倒的に木目が真っすぐなので簡単です。あと、コンビニで貰う割り箸を洗って取っておいて、焚き付け用に使う、なんて方も多いようです。


ともあれ、サウナに入る前にめんどくさがらずに、メイン薪・補助用・焚き付け用の3種類くらいの太さに分けて割っておくと、後が楽です。サウナ中に割るのはいろいろ無理なので、最初にやっつけときましょう。


そして最後に、薪の燃えやすさを決める一番大きな要素が乾き具合、いわゆる含水率がんすいりつというやつですね。シンプルな話、乾いていれば乾いているほど燃えます。


逆に、湿った薪は要注意です。焚き火をする時にも、切ったばかりの生木や、その辺に落ちている湿った枝は火が付きにくいですよね。火が付きにくいだけならまだしも、不完全燃焼を起こしやすく、煙やすす、一酸化炭素などの有毒ガスが出るばかりで全然温まらない、なんて事態になります。


ぶっちゃけ、薪の種類よりも、この乾き具合の方が大切です。乾いていればいるほど良い薪で、含水率が高い薪は、まだではない薪です。乾かしてから使いましょう。


テントサウナからの煙突からは、煙が出たりでなかったりします。黒い煙の場合は不完全燃焼。薪自体が悪かったり、きちんと燃えていない状態です。白い煙の場合は、燃えてはいるのですけど、燃え切っていない状態。ストーブの容積に対して、はりきって薪を入れすぎており、木ガスが燃焼しきらずにそのまま蒸気と共に出てきてしまってる事などが考えられる、ちょっともったいない状態の事が多いです。


そして、煙突周りがゆらゆらと陽炎のように揺れてはいるものの、煙は見えない。この状態が完全燃焼に近い状態。つまりはベストな状態です。


テントサウナの薪係まきがかりの人あるあるだと思いますが、テント内で蒸されて、テント外に出てきて水風呂に入ったり、外気浴をする際に、ふっと煙突の先が目に入り、そこから煙が出ていないと、「いい仕事したなあ」と、よりととのうのです。


テントサウナや薪ストーブでのサウナを楽しもうという方、サウナ室の温度やロウリュに使うアロマだけでなく、「薪」にも注目してみると、よりサウナを楽しめるかもしれませんよ。

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