サウナ・水風呂・休憩を数セット繰り返す

サウナの魅力は「繰り返し」にもある。そう、繰り返すのだ。「サウナで温まり、水風呂で冷やし、休憩で元に戻す」という流れを1セットとし、これを何回か繰り返す。


サウナ→水風呂→休憩、言い換えれば、交感神経起動→副交感神経起動→平常状態へ戻す、という動作を繰り返すことで、体内の各神経系のバランスを整え、体の調子を整えていくというわけだ。


おじさんは、時間があれば3セット、無い場合でも2セットは繰り返したい派だ。サウナ好きの方であれば、5セット以上も繰り返して楽しむ方も珍しくないようだ。このあたりは個人の好みや、その日の体調、気温などの兼ね合いもあるので、何回か試して自分なりに一番「気持ちいい」回数を探し出してみよう。おじさんもいろいろ実験中です。


何セットか繰り返すようになると、セットならではの楽しみも生まれてくる。例えば、1セット目を終えた2セット目は、水風呂効果で1セット目よりも体が冷えた状態からスタートすることになるだろう。すると、サウナ室に入ってしばらくすると、1セット目では味わえなかった、「表皮がカッと熱くなる感覚」が味わえる。まるで体が、「あっ、これ汗かくやつだ!」と気づいて、スイッチを入れでもしたように、フワッと始まり、カッと来るのだ。おじさんはこの瞬間が大好きです。


また、各セットでサウナ・水風呂・休憩のバランスを調整する事もできる。例えば、1セット目は手早く汗をかきたいので、まず、体を洗って湯舟へと浸かり、十分に温まったらサウナ室に向かい、8分ほど入る。2セット目は、外気浴後にそのままサウナ室に向かい、こんどは12分ほど入る。はたまた、水風呂の長さを変えてみる、休憩の長さを変えてみる、等、3つの工程のそれぞれの長さを変えてみるのだ。


自分なりのメニューを組み立て、「今日はバキバキに整った」「今日は冒険しすぎた」などと、いろいろ試しながら、体と頭のととのい加減と対話してみるというのは、案外楽しいものなのです。なんでもそうだが、「少しずつパラメータを変えながら結果の違いを観察する」ような行動というのは、ひとつの事を長く楽しむコツなのかもしれない。それが健康に良くて、冷え性を解決するとか最高だ。


こんな風に何セットかを繰り返していると、あっという間に時間がたつ。おじさんの場合は3セットで、なんやかんやで1時間~1時間半くらいはかかる。サウナに馴染みのない友人に「スーパー銭湯に1時間は入っている」と言うと、「そんな湯舟に入ってどうすんだ。プールの授業じゃん。指先シワシワになってのぼせるじゃん」と驚かれる事になるが、湯船に浸かっているのではない。サウナなのだ。サウナに3セット入ると言うと、それはそれで驚かれるのだが。


そして、ここで一つ問題がある。おじさんが一番良く行く施設は、1時間券と1日券しかないのだ。もちろん1日券の方がお高い。そこで1時間券を買うのだが、3セットしようと思うと、時間との戦いになる。


鍵を受けとるのが試合開始の合図だ。真っすぐロッカーに直行し、なんのためらいもなくパンツまで脱ぎ去り浴室へ入り、迷うことなく体を洗って一番温まるのが速そうな湯船に浸かる。そして体を拭いてサウナ室へ向かうのだ。まるで流れ作業だ。のんびりするのは、サウナ室に入ってからだ。そうでもしないと3セットは不可能だ。だが、達成できた時には身体的な充実感と共に、精神的な達成感も味わえる。サウナは、そんなちょっと別角度の楽しみ方もできるのだ。


とはいえ、やっぱりのんびりしたいのが本当の所。最近は、1時間券の施設では2セットにしています。おじさんは思うんだ。もっとサウナがブームになって良く知られるようになって、90分券がスタンダードになるといいな、と。そんな夢を見ているのだ。タオルいっちょで。


さて、サウナ・水風呂・休憩の基本セットの楽しみ方を紹介したが、実はその大きな流れの中にも、様々なセオリーやマナーといったものもある。なんといっても温浴施設は皆で利用する施設ですからね。


そんな「より楽しむためのノウハウ」や「やめておいた方がいい行動」などをおじさんなりに纏めてみたい。が、それはまた、別の機会に。

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