第4話 今日もあたしの先輩はガードが固い

「暑いですね……」


 暖房の効いた部室。あたしは火照った顔を手であおぎながら、本を読む先輩の様子を窺う。


「脱ぐかなぁ……」


 そう呟きながらブレザーを脱ごうとして、袖が突っ張り上手く脱げない演技をする。

 ここで先輩をチラ見。


「脱がして……くれませんか?」


 すると先輩が立ち上がり、こちらに近づいてあたしの後ろに来た来た来たぁー……あれ?

 電子音が無情に響く。


「設定温度を下げた」

「ですね」


 今日も先輩はガードが固い。

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