第39話 先輩がガードを開くのを

「ああ、話したくなかったらいいんです! いいんですホント!」


 先輩の強固なガードに、さすがのあたしも胃がヒリついてきた。ここは女は愛嬌だ。アハハと手をパタパタ白旗みたいに振ってごまかしを図る。

 そんなあたしを先輩は申し訳なさそうな顔で見た。少し口を開き、何かを言おうとしてためらって、また口を閉じる。

 そしてくしゃっと弱々しく微笑む。


「……いつか話すよ」


 ……先輩がガードを開くのをあたしはいつでも待ってます。

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