第2話 やっぱりあたしの先輩はガードが固い

「メリクリ!」


 クラッカーを鳴らすあたしに目もくれず、先輩はいつも通りの仏頂メガネで本を読んでいた。


「せんぱ〜い」


 泣きつくあたしに先輩が面倒臭そうに言う。


「なぜ部室なんだ?」

「先輩が後輩と過ごしたいって言ったからじゃないですか。はい、あーん」


 すかさずフォークにケーキを刺して差し出すと、先輩は差し出されたケーキを自分のフォークで器用に取って食べてしまう。


「過ごすだけだろ?」


 やっぱり先輩はガードが固い。

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