第6話 新年もあたしの先輩はガードが固い

「あけおめです」

「……ああ」


 電話に出た先輩の鈍い声に怯むことなく果敢に攻める。


「ということで初詣です」

「寒いからパスだ」


 にべもない先輩。しかしあたしはニヤリと笑う。

 電話越しにインターホンの音。


「誰か来た。切るぞ」


 そして目の前のドアが少し開く。


「はい……」

「先輩を初詣です」


 あたしはニッコリ微笑みながら閉じるドアに素早く足を突っ込む。


「寒いので部屋に……」

「初詣行くぞ」


 やはり新年も先輩はガードが固い。

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