第7話 あたしの先輩はガードが固い上に厳しい

 初詣の神社は大変な人混みだった。


「は、はぐれないように手を……」


 と上目遣いに言ってるそばから先に進む先輩!


「あ」


 人間の壁に引き裂かれたこれは、まさか今年の二人の関係の暗示?

 茫然と人混みに十分ほど揉まれるあたしを、気付くと呆れ顔の先輩が見ていた。


「先輩!」


 感動の再会的勢いで抱きつこうとした眼前に御守りが突き付けられる。


「厄除け?」

「後輩にはこっち」


 ここで学業成就をくれる先輩はガードが固い上に厳しい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る