第26話 あたしの先輩のガードが少しだけ……

「ご馳走様。今日は楽しかったわ」


 女子2名のケーキを奢らされて渋い顔の先輩に、幼馴染は手を振って帰っていった。結局、彼女の感謝の理由はわからずじまいだ。

 駅まで送るという先輩と歩きながら、その横顔に訊ねる。


「先輩、あたしってイイことしてますか?」


 怪訝そうに振り向いた先輩は、あたしのまっすぐな視線に照れたようにそっぽを向いた。


「……してるさ。少なくとも俺はそう思う」


 先輩のガードが少しだけ開いた気がした。

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