第31話 タイプの違うガードの固さ

 昼休みにあたしは先輩の幼馴染を屋上に呼び出した。


「なんの用かしら?」

「感謝ってなんです?」


 単刀直入に訊くと、彼女は「ああ」と、いつもの小悪い微笑を浮かべる。


「知りたい?」

「知ってて釣ってますよね?」


 これに彼女は噴き出して笑い、


「……そういうとこなんだろうな」


 と、またも謎発言をする。そしてしれっと、


「釣りも恋も駆け引きが楽しいんじゃない?」


 とか言う、この先輩とタイプの違うガードの固さったら、ぐぬぬ!

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