第10話 あたしの先輩のガードは多彩である

 先輩がくれた学業成就の御守りを握り締めて挑んだテストは赤点だった。


「追試になりました」

「それで勉強を教えろと?」


 ピンチはチャンスだ。今度こそイチャコラ勉強会を実現する!


「何がわからない?」


 恋の方程式と答えそうになる自分を抑えて赤点の束を見せる。


「全滅だな」

「です! だから先輩の家でみっちりと……」


 勢い込むあたしに先輩が冷静に言う。


「俺では無理だ。教え上手な友人を紹介しよう」


 先輩のガードは多彩である。

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