第16話 あたしの先輩のノーガードはヤバい

 幼馴染は布団に潜った先輩をひとしきり笑うと、畳んだ洗濯物を置いて立ち上がった。


「じゃ、そろそろ帰るわ。頑張ってね後輩さん」


 なん……だと?


 そう手を振りながら部屋を出ていく彼女の態度は罠? 敵塩? 古女房の余裕? 狙いは不明だが残された事実は一つ。


 先輩と密室。


「せ、先輩」


 上擦るあたしの声。しかし返事はない。恐る恐る枕元を覗く。


「先輩?」


 そこであたしの目は尊さに焼かれた。


 先輩の寝顔。


 先輩のノーガードはヤバい!

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