概要
その変化に、光はあるか。
人と一角狼が住まう、六合ノ國(りくごうのくに)。長きに渡り共生してきた二種族は、『熒惑事変(けいこくじへん)』という戦をきっかけに関係を破綻させていく。
その戦で家族を失ってしまった青年、野火。失意の最中、ひとり国を放浪していた彼は、あるひとりの少女と出会う。
失くした絆、変わる国。時代の狭間で惑う野火が見つけた、少女を取り巻く昏い影──。
明けない夜に沈んでいたふたりが選び取る、それぞれの未来のすがたとは。
その戦で家族を失ってしまった青年、野火。失意の最中、ひとり国を放浪していた彼は、あるひとりの少女と出会う。
失くした絆、変わる国。時代の狭間で惑う野火が見つけた、少女を取り巻く昏い影──。
明けない夜に沈んでいたふたりが選び取る、それぞれの未来のすがたとは。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人と獣の絆は、払暁の牙となりうるか
『人と一角狼、均しく六合の地を分かつ。
王たるものは御霊を交わし、久遠の縁を結わうべし。
知己朋友を扶け、尊び、姿容を越えたる鏡と知れ。』
初代九霄が定めた〝天地大綱〟の崩壊より、この物語は始まります。朋角を喪った元狼士の青年・野火と、人里を離れ一角狼の群れで暮らす少女・宵越──メインキャラのふたりがとにかく愛おしく、寝る間も惜しんで読み耽りました。
言葉を持つ人と持たざる獣、異なる種族のあいだに溝が生じてしまうのは仕方のないこと。けれど、心を通わせることを諦めてはならないと、ときに壊れながらも再編されていく二種族の絆が教えてくれたように思います。
乾と野風にはじまり、沫、垂、斑、細、…続きを読む