概要
この日記、本当に前世の私が書いたもの?
リディ・フロベール。二十歳。国立国民議会図書館《ポンパドーラ》で働いている。私には前世の記憶があった。三百年前、この国の女王だったマリー=テレーズの記憶だ。しかし、それを誰に言うこともなく、平凡な暮らしをしていた。
だが、ひょんなことから女王の恋日記なるものが発見されたと発表された。そんな馬鹿な。私は前世も今も独身で、恋日記を書いた覚えもないのに――!
気になった私はその発表に関わる大学院生レオ・サーチマンとともに調査に乗り出し、夫を亡くした未亡人の住む、《金糸雀館》《カナリアハウス》に赴く。だが予想だにしない不可解な出来事に直面することになる。
舞台は架空の現代ヨーロッパです。
《人物紹介》
リディ・フロベール
二十歳。国立国民議会図書館(ポンパドーラ)の職員。三百年前の女
だが、ひょんなことから女王の恋日記なるものが発見されたと発表された。そんな馬鹿な。私は前世も今も独身で、恋日記を書いた覚えもないのに――!
気になった私はその発表に関わる大学院生レオ・サーチマンとともに調査に乗り出し、夫を亡くした未亡人の住む、《金糸雀館》《カナリアハウス》に赴く。だが予想だにしない不可解な出来事に直面することになる。
舞台は架空の現代ヨーロッパです。
《人物紹介》
リディ・フロベール
二十歳。国立国民議会図書館(ポンパドーラ)の職員。三百年前の女
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!理解可能な狂気という恐怖
常軌を逸した異常な行動を取るさま……狂気。この作品を読み終えた時、ふとそんな言葉が去来しました。
そんなやり方は、有り得ない。そんな感情は、許されない……。常識で考えたなら、絶対に。だからこその狂気。そんなふうに考えて。
でも、そのすぐ後に気付いてしまいました。狂気と名付けたそれらに、自分はなぜか深く共感しているということを。
一つの行為とその動機を、狂っていると判断する傍らで、しかしそれは理解可能で納得のいくものだと判じている自分がいたのです。この矛盾の原因、それがすなわち、この作品の素晴らしい魅力であると思います。
整然と敷き詰められた文章と、簡素でありながら本質的である会…続きを読む