第18話 悪化する状況下で

日本国青森県三沢航空基地



 次々に米空軍のF-16CJ戦闘機が誘導路から滑走路へ向かい、離陸していく。すでにKC-135空中給油機やE-3セントリー早期警戒管制機は離陸しており、爆装したF-16CJも続々と離陸していた。

 航空自衛隊第3航空団も動き始めていた。第3飛行隊のF-2はCAPを開始しており、F-15EJ臨時飛行隊も爆装を開始していた。

 東條は米空軍の連絡幹部LOも含めたブリーフィングに参加し、空自が担当する攻撃目標を入念に確認し、プリ・フライト・ブリーフィングで共に飛ぶ僚機のパイロット達と最後の確認を行っていた。

 北朝鮮に対する予防空爆に備えていた米韓軍は北朝鮮に先制攻撃こそ受けたものの、計画通り即応し、開戦から一時間以内に反撃している。

 日本海、黄海に展開する空母打撃群からの巡航ミサイル攻撃に続き、嘉手納基地、三沢基地、岩国基地、グアム・アンダーセン基地、ハワイ・ヒッカム基地及び日本海、黄海に展開する空母打撃群から発進した戦闘機や爆撃機が初撃ファーストストライクを担い、北朝鮮のレーダー施設、対空ミサイル陣地、航空基地を攻撃し、その後の攻撃で米国本土に脅威となる大陸間弾道ミサイルICBMの発射場等は壊滅していた。

 攻撃は第二段階に移行し、残ったレーダー施設、高射陣地、航空基地、そして弾道ミサイルの自走発射機TEL攻撃に移行しているが、韓国軍と一部米軍部隊は南侵する北朝鮮軍とDMZ沿いの野戦火砲陣地への対処に回っている。

 増援部隊が米本土やアンダーセン、ヒッカムから日本に集結しつつあるが、日本にも支援要請が行われている。


「時間だ、行くぞ」


 東條はブリーフィングを終えると救命装具室へ向かい、装備を点検し、身に付ける。

 列線場エプロンでは四機のF-15EJが爆装して待機していた。飛行場は離着陸する航空機の爆音で覆われており、機付長とコンタクトする時も身振り手振りのハンドサインで行う必要があった。後席員を務める木坂と共に機体の外観点検を行い、ログブックにサインする。

 これから実戦だというのに日常と変わらない手順だ。外観点検中に主翼に装備された大型のJASSM-ER空対地巡航ミサイルを木坂が神妙な顔で撫でていた。


「ご武運を」


 機付長の押田3曹が敬礼した。


「何のことはない。半島から八百キロも離れた位置からこれを発射するだけだ」


 JASSM-ERの射程は九百キロを超えている。北朝鮮の迎撃機が上がって来たとしても日本海ですでにCAPを行う空自のF-15に撃墜されるか、米海軍に基地ごと破壊されている。

 日本海側の沿岸を、日米の航空機が飛べるよう掃除するのが東條達の任務だ。まずは射程の長い巡航ミサイルで北朝鮮の防空網を攻撃。続いてF-35がより近づいて米軍の地上部隊が誘導する攻撃目標をGBU-39精密誘導爆弾で攻撃する。現在も米空母から反復攻撃が実施されているが、それは北朝鮮南部方面の韓国に近い戦域を中心としており、日本は中部を米空軍と共に攻撃する。

 米空軍の敵防空網制圧SEAD任務部隊である第35戦闘航空団の道を開くのだ。このSEADが完了しなくては弾道ミサイルの移動式発射機掃討は困難になる。

 東條と木坂は機体に乗り込むとハーネスを身に付け、ヘルメットを被り、酸素マスクを機体と繋ぐ。


「チェックリスト」


 東條は点検項目を読み上げながら通常の手順通り点検していく。JFSジェットフュエルスターターボタンを押した。補助動力装置APUの甲高い音が響き渡る。APUによってF100-IHI-229EEPターボファンエンジンが回転し、東條は回転数を確認してエンジンをスタートさせる。

 ランウェイ・エンド手前で一旦停止。離陸前の最終点検、ラストチャンス・チェックを整備員達から受け、ランウェイ・エンドに並ぶ。

 エンジンをアイドルにして各機の態勢が整うのを待つ。


『2番機、3番機、4番機、位置についた』


「了解」


 木坂の声を聞き、管制塔からの指示を待つ。離陸が許可されると東條はスロットルを押し込み、エンジンを唸らせ、滑走路上でF-15をダッシュさせた。Gによってイジェクションシートに体が押し付けられ、離陸速度に達した所で操縦桿を引く。

 機体が重たい。JASSM-ERは総重量九七五キロ。それが二発にAAM-5短距離空対空ミサイルが四発。胴体に増槽を抱えている。制空任務では装備しない重量だ。

 東條は機体を上昇させ続け、高度三万フィートを目指す。その間に編隊を組み、四機のフィンガーチップ編隊を組む。

 日本海上にいる早期警戒管制機から針路を指示され、東條達は淡々と日本海を北上した。三万フィートに達した後もそこからさらに上昇率を落とし、ミサイルの射程を生かすために四万フィートに向けて上昇する。


『発射高度についた。IPまで二分』


 木坂が後席から呼びかけた。


「了解。クーガー各機、アブレスト」


 フィンガーチップ隊形を保っていた各機は横一列の横隊隊形に移行する。


『クーガー01、ディスイズイーグルアイ。フェンスイン』


 早期警戒管制機が戦闘空域に進入したことを伝えてきた。


「ラジャー、フェンスイン」


 北朝鮮軍の地対空ミサイルの射程のはるか外、そして日米軍の戦闘機が入り乱れる中では脅威をほとんど感じられなかった。東條達はポジショニングライト等の灯火を全て消灯し、戦闘航行で北朝鮮へと向かう。


「発射後は方位155へ離脱する」


『コピー』


『クーガー01、ディスイズイーグルアイ。データリンクに従い、攻撃を開始』


「クーガー01、ラジャー」


 JASSM-ER巡航ミサイルに対する目標データがAWACSから送られてくる。それを木坂がミサイルへインプットする。九〇〇キロ以上の射程を持つJASSM-ERの目標データは発射母機に事前に与えられたデータとAWACS等の友軍からの最新情報によって精度を増す。

 目標はすでに沈黙している北朝鮮軍の対空陣地だ。敵のレーダーサイトは米軍のF-16の対レーダーミサイルにすでに破壊されていて機能していない。


『ジャベリン、レディトゥースロー』


 木坂がJASSM-ERの発射準備が整ったことを伝える。


「オーケー。各機ARMアーモHOTホット


『ラジャー、ARM・HOT』


 各機が火器管制装置の安全装置を解除し、JASSM-ERの発射態勢に入る。


『レディ、ファイア』


「ライフル、ライフル」


 空対地ミサイル発射をコールし、ミサイルレリーズボタンを押し込んだ瞬間、二基のJASSM-ERが主翼のハードポイントを離れる。機体が軽くなり、一瞬動揺する。

 JASSM-ERは機体を離れ、折りたたまれていた主翼と垂直尾翼を展開してF107ターボファンエンジンによって亜音速飛行を開始する。


『コンプリート』


 木坂が発射されたJASMM-ERの航跡を確認して告げる。JASSM-ERはGPS及び慣性誘導装置INSによって目標へと飛翔する。


「ラジャー。クーガーRTB」


 東條以下のクーガー編隊は三沢へは戻らず、前進基地として準備が開始された小松基地へ着陸する手筈だった。小松基地は民間機の運行が停止され、空中給油機等の発進基地となっている他、兵装の集積が開始されている。当所達はそこで次なる任務に備えて待機することになる。その任務こそが本番だった。





大韓民国プサン広域市カンソ区 キメ国際空港



 対馬海峡に面し、古くから朝鮮半島と日本とを結ぶ交通の要衝として栄えてきた港湾都市であるプサンのキメ国際空港。日米のECCの一つとして設定されたこのキメ国際空港には、多数の日本人や外国人が押し寄せ、韓国から脱出しようとしていた。

 彼らの目の前の列線場へ直接、CH-47JA大型輸送ヘリが次々に着陸する。陸上自衛隊第1ヘリコプター団と第12旅団の混成航空科部隊の機体だった。

 着陸したCH-47JAの後部に向かって誘導された日本人達がそれぞれ三十名ずつ乗り込んでいく。

 人員を乗せたCH-47JAは地上滑走を行って滑走路に出ると次々に離陸し、三十名もの人員を乗せていることを感じさせないパワフルで軽快な機動で旋回し、南へ向かって針路を取る。

 離陸したCH-47JAが向かう先は、最も韓国に近い長崎県対馬の対馬空港だった。対馬に向かうCH-47の眼下を同じく対馬や福岡とプサンとを往復する多数の民間客船が対馬海峡を進んでいた。

 海員組合は政府による邦人輸送支援の要請を、軍事的な徴用だとして拒否していたが、朝鮮半島に残された邦人を避難させるために船員の同意を得た会社が協力を申し出たのだ。朝鮮半島の情勢は悪化の一歩を辿り、邦人の安全を確保するには一刻の猶予も無かった。

 対馬海峡の上空では警戒に当たる自衛隊のヘリの他、海自の哨戒機や海上保安庁のヘリも飛び、絶えず爆音が響き渡っている。

 韓国の漁船やフェリー、海上タクシーのような小型船まで、それらの航路を強引に突っ切って日本へ脱出しようとしていて、海上の安全確保のため海上保安庁の巡視船が並走して警告している。

 朝鮮半島と九州の間に位置する長崎県対馬は避難民の一次受け入れ場所となっており、自衛隊と米軍の航空部隊の拠点となっていた。一本しかない一千九百メートル級の滑走路は日米のヘリコプターが絶え間なく離着陸を行っており、対馬空港の外には自衛隊による救護所が設置され、怪我人や体調不良者への対応が行われている。すでに多数の日本人とアメリカ人が対馬と福岡に渡っていた。

 しかし北朝鮮軍がDMZを越え、韓国国内に潜入していた北朝鮮の特殊戦部隊が破壊工作を開始するとキメ国際空港も封鎖された。

 国外に脱出しようとする韓国人は空港に入れず、助けを求める悲壮な声や不満や怒り、憎しみの怨嗟の声を上げて彼らは韓日米軍に抗議してきた。フェリーターミナルも同様だった。

 フェリーターミナルに張り巡らされたフェンスを揺すって激しい抗議が行われる中、次々にやってきたフェリーへ日本人や外国人は乗り込んでいく。日米韓軍の警護がついた大型バスがフェリーターミナルへ入っていくと、バスには石やゴミが投げつけられた。バスの窓ガラスが割れ、アメリカ人の夫婦が怪我を負い、海兵隊のUH-1Y多用途ヘリで対馬へ優先空輸される事件もあった。


「いきり立ってる。皆興奮しているな」


 空港の管制塔で、その様子を確認していた陸自中央即応連隊に所属する白瀬1等陸尉は呟いた。白瀬は空港警備を行う陸自部隊の指揮を執っていた。

 白瀬は防衛大学校卒業のB幹部のエリートコースを進んできた若手幹部で、経験豊富とは言えなかったが今回の任務には訓練を重ねており、全く自信がない状態では無かった。

 部下を不安にさせ、指揮系統を揺るがすまいと毅然とした態度を保って部下に指示を出し続けていた。


「良くない徴候ですよ」


「戦場から遠いプサンでもこの有様とは……ソウルはどうなっていることやら」


 部下の隊員達が言葉を漏らす。幕僚として白瀬をサポートする彼らも白瀬の内心の思いには気がついていた。立派に役目を果たそうとする指揮官のため、彼らも不安はおくびにも出さなかった。


「ウェノム!」


「チョッパリ!」


 フェンス沿いに警備に立つ隊員達には日本人の蔑称の野次も飛んでくる。彼らが暴徒化することを恐れ、隊員達は緊張していた。


「いつ暴動になるか分からない。韓国警察に彼らを退去させるんだ」


 白瀬が指示するとすぐに連絡幹部が動く。

 キメ国際空港は日米だけでなく、各国にとっても重要な避難拠点となっており、日本人や米国人以外の韓国滞在中だった外国人が多数押し寄せている。

 韓国軍と警察が彼らの身体検査や身元確認を行って空港内に通しているが、韓国人の避難は行われていない。そのため韓国人達は外国人に怒りを露わにしており、特に日本人が取り囲まれるなどの事態も起きている。さらに各国の大使館関係者も詰め掛けており、日米の邦人輸送部隊に自国の邦人の移送を要請しており、空港を警備する白瀬達は重要な役割を負っていた。

 警備にせよ邦人輸送にせよ人員は不足していた。そのため急遽、対馬の一次避難受け入れ先の支援を行うために派遣されていた第12旅団の普通科部隊をヘリで空輸し、支援に加えていた。予備として待機していた水陸機動団の普通科部隊がその交代のために対馬に移動中だ。準備が不足する第12旅団の部隊を支援するため、対馬警備隊の対ゲリラ・コマンドに精通した精鋭一個班も第12旅団の普通科中隊と共にキメ空港に入っている。


「ソウル周辺では戦闘が起きている。可能な限り南のECCに邦人を集めているため、キメはまだ数日は維持しなくてはならないぞ」


 民間機の離着陸も激しくなっていた。各国が手配した民間の旅客機も韓国からの退避に使用されている。

 その時、プサン市全域に不気味なサイレンが鳴り響いた。広帯域多目的無線機からも一斉通知の警告音がけたたましく鳴る。


「なんだ?」


「弾道ミサイル警報だ」


 白瀬の手元にある情報端末がその警告の正体を伝えていた。

 北朝鮮の短距離弾道ミサイル、スカッドがプサンに向けて発射されたのだ。離陸に向けて滑走路に向かっていた旅客機に対し、ターミナルに引き返すよう管制官が指示を出したが、パイロットは離陸続行を決意したらしく、管制の指示に従わずに滑走路に侵入した。

 韓国人管制官達の怒号が飛び交い、管制塔も騒然となったが、さらに空港は大混乱だった。


「邦人をヘリから下ろせ!」


「間に合わない、今すぐ離陸させて空中に退避させろ」


 着陸して邦人を乗せていた陸自のヘリからは慌てて邦人が下ろされ、ターミナルビル内の奥に避難させられる。ヘリもその場から離陸し、空中退避を試みた。


「窓から離れて!うつ伏せになって頭を守って下さい!」


 ターミナルビルでは民間人の退避が行われていた。悲鳴や怒号が錯綜し、ボディアーマーに身を包んだ自衛官達が盾を掲げて防護壁を作る。

 不幸中の幸いで弾道ミサイルは空港には落ちなかったが、プサン市内の住宅街に着弾した。着弾地点には韓国軍のCBRN対処部隊がヘリコプターと車両で急行。中央即応連隊の隊員達も防護マスクを準備したが、通常弾頭だったことが後から判明した。しかし、危機は確実に国境から離れたプサンにも近づいていた。





 日本海上



 日本海には半島有事に対応する統合任務部隊の護衛艦が多数展開し、任務に当たっていた。その中で、弾道ミサイル防衛BMDの中枢を担うイージス艦であるこんごう型ミサイル護衛艦《こんごう》は、あきづき型護衛艦《ふゆづき》と共に弾道ミサイル警戒任務に当たっていた。

 その《こんごう》の中枢たる戦闘情報指揮所CICには緊迫した空気が漂っていた。すでに総員配置がかかってから一時間以上経過していたが、乗員達は集中力を切らすことなく持ち場に就いている。


「目標情報入りました。トマホーク直撃前にトンチャンリ基地より、四発のKNキロ・ノベンバー-21の発射を確認。以降目標をアルファ、ブラヴォー、チャーリー、デルタと呼称」


 KN-21は別名火星15。米国を攻撃可能な大陸間弾道ミサイルICBMだった。

 開戦とほぼ同時に米軍はファーストストライクにより、米本土に対する攻撃手段となる弾道ミサイルの発射場等を優先して破壊しており、この戦争の初期段階において北朝鮮の主要な発射基地のほとんどはすでに灰塵に帰していた。

 しかし移動式発射車両の多くは未だに健在で、日米共同作戦部隊による捜索と破壊が続いていた。すべての弾道ミサイルが駆除できていない以上、その矛先が日本国内に向けられることは当然の帰結だった。


「破壊を免れたICBMがあったのか」


 CICに立つ《こんごう》艦長の是枝史朗2等海佐は、米国の早期警戒衛星や、半島上空や日本海上空、黄海上空を飛ぶ日米の早期警戒管制機AWACS、航空自衛隊の警戒管制レーダー等の各種情報が統合されて表示されるディスプレイを見て呟いた。

《こんごう》は、半島有事勃発以前から弾道ミサイルに対する警戒態勢を維持し、発射された弾道ミサイルをSPY-1レーダーによって追尾していた。


「TELで発射されたものでしょう。発射基地はもう更地ですからね」


 副長が是枝の独り言に律儀に答えた。


「こんな状況で、一矢報いたい訳か。無駄な抵抗を……迎撃しろ」


「システムをBMDモードに!」


 すでにミサイル防衛の統合任務部隊を指揮する空自の自動警戒管制JADGEシステムによって分析された目標の情報がリアルタイムで共有されていた。発射された火星15は日本列島を越え、アメリカ本土を標的としていることが推定された。


「CIC指示の目標。SM-3攻撃始め」


「SM-3発射用意」


「SM-3発射用意よし」


発射指令コメンスファイア


射てテェ!」


 艦首の垂直ミサイル発射機VLSから迎撃ミサイルスタンダードSM-3blockⅡBが発射され、艦首は白煙に包まれた。続いて艦尾のVLSからもSM-3blockⅡBが発射される。

 SM-3blockⅡBは日米共同開発で生まれた弾道ミサイル迎撃ミサイルだった。SM-3blockⅡBは通常の対空ミサイルのような炸薬を充填した弾頭ではなく、運動エネルギー迎撃弾であり、弾頭部には複数の小型ロケットモーターによって高機動力が与えられた運動エネルギー投射体が格納されており、弾道ミサイルを直撃によって迎撃する。

 発射されたSM-3は成層圏を抜け、北朝鮮より発射され、大気圏外を飛翔する弾道ミサイルに向かう。


迎撃インターセプト10秒前。9、8、7、6……」


 SM-3の命中までの秒読みが行われる。


「3、2、1……迎撃今マークインターセプト


 CICは静まり返っていた。


「本艦のSM-3、ターゲット・アルファを撃破。《きりしま》と米軍の《シャイロー》、《カーティス・ウィルバー》もブラヴォー、チャーリー、デルタを撃破!」


目標全弾撃墜グランドスラム!新たな目標無し」


「警戒を怠るな、次に備えろ。必ず来るぞ」


 是枝は弾道ミサイルの撃墜にも表情を変えず、むしろさらに険しい表情を見せた。これで終わった訳ではない。

 長い戦いになる――。

 乗員の誰もがそれを覚悟していた。




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