第19話 戦う建前

大韓民国インチョン広域市 インチョン国際空港 第1旅客ターミナルビル



 日本のECCが設置されたインチョン空港は北朝鮮特殊戦部隊の襲撃を受けていた。空港の周辺を封鎖し、警戒に当たっていた韓国軍の中に紛れていた偽装工作員達が、周囲にいた韓国兵や警察官を排除すると、空港へ向かって前進してきた。

 激しい銃撃が自衛隊の警備部隊が配置についたターミナルビルを襲う。あらかじめ韓国軍が自動車等の突入を防ぐバリケードにするために配置した海上輸送用コンテナ等の裏で自衛隊員達は自分の身を守ろうと必死に身を縮こまらせていた。


「小隊長!」


「射撃許可を!」


 空挺隊員達が口々に叫ぶ。彼らの前には撃ち倒されて重傷を負って蹲った韓国軍兵士や警察官がおり、そして旅客ターミナルビルには日本人を含む多数の民間人がいる。

 韓国軍の警備部隊が駐車場に設営していた陣地も襲撃され、そちらでも銃撃戦が続いている。飛行場に一歩も入れまいと、米海兵隊も応戦していた。日本に割り当てられていたターミナルビルにも北の特殊戦部隊が迫っていた。


「姿勢を低くしろ!頭を上げるな!」


 空挺第7中隊を率いる栗原1尉は立体構造になった第1旅客ターミナルビルの三階に位置するバスターミナルエリアで指揮を執っていたが、そこにも銃撃が襲い掛かってくる。ガードレールで激しい火花が散り、弾丸が爆ぜ、耳障りな金属音を絶え間なく響かせる。屈強な空挺団員達が地に這いつくばり、必死に指示を求めて叫んでいる姿に栗原は歯軋りした。このままでは目の前で倒れる韓国兵達を助けることが出来ないだけでなく、隊員達は反撃できないまま全滅しかねない。

 自衛隊は、所属する隊員数より多くの人命を救助している、世界で唯一の武装集団だ。そして殺した数よりも救った数が多い世界でただ一つの武装組織でもある。自衛官達はそのことを誇りに思っている。

 特に陸上自衛官はそうだ。空自や海自は常に国境を守る実戦を経験しているが、陸自はPKOなどの海外派遣を除き、実戦を経験することは無い。災害派遣が唯一の実戦といっても過言ではない。災害派遣において多くの人命を救助してきた陸上自衛官達にとって、今回の朝鮮半島有事に伴う派遣は、災害派遣のように武器を使用するイメージが薄かった。

 栗原も同じだ。今までで最も危険な南スーダンでも撃たずに済んだのだ。今回も撃たずに済むことを願っていた。邦人を守るために訓練を行ってきたが、どこかでこれは万が一の最悪な手段だと思っていた。

 しかし空港の外で韓国軍と銃撃戦を繰り広げながら近づいてくる「敵」が、空港にいる自衛官を含む日本人達に危害を加えることは明白だ。ターミナルビル内で怯える彼らの顔を栗原は思い浮かべた。パニックに陥らずに何とか指示を聞いているのは最後の砦である自衛隊がいるからだ。栗原達が守ってくれることを信じ、あるいは願っている。なんとしても守らなくてはならない。武器使用への苦悩よりも、その使命だけは絶対だった。

 自らの境遇を嘆くことに時間を費やしている暇はないことを思い出した栗原は、この状況に対処することに集中した。

 訓練は実戦のために行ってきた。いや、訓練を実戦だと思って栗原は全力で取り組んできた。部下達にも同じことを求めてきたつもりだ。部下を信じるしかない。


「完全装填しろ!正面駅ターミナルの連絡通路の線を阻止線に設定。こちらに銃撃してくる敵と、阻止線を越える敵に対して警告射撃を実施する」


 第1旅客ターミナルビルの正面には駅や商業施設が設置された第1交通センターがあり、ターミナルビルに向かって正面と左右の三方向に連絡通路を伸ばして存在していた。第1交通センターにも部隊を配置していたが、孤立する恐れがあったため、すでにターミナルビルに後退させていた。

 隊員達が小銃の槓桿を引いて初弾を薬室に装填した。

 完全装填とは銃に弾倉を込めただけの半装填状態から、薬室に装弾していつでも射撃できる状態にすることだ。


「しかし、栗原1尉!警告射撃なんてしていれば、やられます!危害射撃の許可を!」


 第3小隊の先任陸曹である小隊陸曹の桂川1曹が銃撃の激しい騒音の中、叫んだ。

 中央即応連隊目的地派遣群に所属する熊沢3尉が栗原を睨むようにして目で、撃つなと訴えていた。


「駄目だ!撃つな」


 第3小隊長である中島3尉が桂川に向かって怒鳴った。栗原は、桂川の意見は正しいと理解していたが、射撃を禁じざるを得なかった。


「何故です!」


「戦闘の回避は厳命されている!武器使用許可が下りていない!」


「そんなことを言っている場合ですか!部下がやられます!現に射撃を受けてるんです、正当防衛は成立しますよ!」


 桂川の声はこの場にいる自衛官達の言葉を代弁していた。銃撃は激しさを増している。北朝鮮の兵士達は自衛隊の警告射撃で退いてくれるような相手ではない。

 中島の顔には焦りがあった。空挺団は強い団結心と克己心の下、精強な隊員達を擁する。過酷な訓練にも耐える彼らは愛国心に厚く、その血も熱い男達だ。指揮官幕僚の幹部が上に立っているとはいえ、部隊を支えているのは陸曹だ。その中でも小隊の陸曹の先任者である桂川1曹の自制心が揺らぐことは、その下の曹士たちをも動かしかねない。


「俺達は兵士じゃない、自衛官なんだ。自分の生命を惜しんで、自由に武器を使える立場じゃない!」


「我々は国外では軍隊扱いじゃないですか!我々は兵士ですよ、今さら何を!」


 桂川は、訓練のための訓練ではなく、実戦のための訓練として隊員達を教育する中隊長の栗原やその下の小隊長の中島が、この土壇場でそんな融通の利かないことを言い出すことに信じられない様子だった。

 栗原もまた葛藤があった。だが、自分達の行動が政府を揺るがせば韓国内にまだいる邦人の救出にも関わる影響を及ぼす危険があった。そのことは小隊長達幹部にも徹底されている。韓国国内で自衛隊が政府の統制から外れて戦闘を始めれば暴走とみなされかねない。ただでさえ、在外邦人輸送は戦闘が行われている地域では認められていないのだ。政府の許可という戦う建前が必要だった。


「兵士と自衛官は違う!」


「何が違うんです!」


「欧州に武士はいたのか、侍は?日本に騎士が?俺達は日本の自衛隊だ。法令に縛られているんじゃない。これは任務だ。ここで武器を使用するのは俺達の意思では駄目だ、国家の意思が必要なんだ。日本という国家をつつがなく運営していくために、俺達は個を捨てるんだ」


 生き残りたいという欲求も、部下を守りたいという欲求も、国家の意思の前には理性を持ってねじ伏せなければならない。


「しかし我々はやられるわけにはいかないんです!後ろにはまだ日本人を含めた民間人が数千単位でいるんですよ!」


 桂川がなおも叫ぶ。


「桂川!」先任曹長の伊坂が声を張り上げた。その怒声に桂川は弾かれる。「お前は中島小隊長の補佐に専念しろ!自分の本分を忘れるな!」


「栗原1尉!」


 銃撃戦下に繰り広げられていた口論のさなか、隣で寝ころぶ通信陸曹が栗原を呼んだ。そちらを振り返ると広帯域多目的無線機の送受話器が突きつけられる。栗原はそれを取るやすぐに耳を傾ける。


『総理の下命を確認した。自衛のための武器使用を許可する』


 中央即応連隊の目的地派遣群指揮官の高橋1佐の震える声が無線機を通して栗原の耳に入った。


「こちら70ナナマル、武器使用を許可、了解」


 栗原は復唱して送受話器を通信陸曹に放った。熊沢が驚いたように栗原の顔を見る。


「高橋1佐からだ。総理の下命があった」


 熊沢に説明しながら栗原は中島達に向き直った。熊沢もまた動揺しながらも館内にいる中央即応連隊の隊員達に指示を徹底した。


「武器使用許可だ!先ほどの命令を訂正する。阻止線を越えようとする敵を阻止しろ!」


 栗原の命令を聞いた中島や各小隊長達が一斉に指示を飛ばす。自衛隊の反撃が始まった。




 韓国陸軍第11航空団に所属するリ上士は腹に走った激痛にのたうっていた。熱せられた金属の棒を腹に突き立てられたような痛みだ。激痛と撃たれたショックで、自らの個人用救急医療キットIFAKポーチを取り出す事も出来ない。

 リは航空兵科で、ヘリコプター部隊の整備要員だった。このインチョン空港に臨時拠点を設けるために送られただけで、警備は担当しておらず、インチョン空港に集まる第11航空団の車輛を誘導する任務を負っていたため、当然ながら自分が矢面に立つことは想像していなかった。

 北韓の手先と思われる韓国陸軍の花崗岩迷彩で化けた兵士達が激しい銃撃を空港のターミナルビルに浴びせている。ターミナルビル内にはまだ多数の民間人がいるはずだ。

 周りを見ても近くに無事な韓国軍兵士はいないようだった。二名の韓国兵が車両の影に隠れているが、うち一名は車体に背中を預けてぐったりしている。自分を助けられる余裕は無さそうだ。

 地に伏せた同僚達もわずかに腕を伸ばして助けを求めたり、傷口を押さえてのたうっている。


「ここで死ぬにしても無駄死には嫌だ……」


 死への恐怖を振り払ってリは反撃することを決意した。傍に斃れた同胞のK2ライフルに手を伸ばしたとき、空港側から応戦が始まった。斉射は一瞬だが、北韓の兵士達を動揺させ、動きを止めた。

 リはその間にK2ライフルを取るとそのままガードレールの傍までずるずると這った。ガードレールの裏には土嚢が詰まれていて、小銃弾なら防げそうだ。

 北韓の兵士達は空港側に反撃を開始した。仲間がまだこんなに残っていたのか。リは勇気づけられながらもK2ライフルのコッキングレバーを引いて初弾を装填すると北韓の兵士に向けて発砲した。即座にリのいる位置に向けて反撃の弾が飛んできて、土嚢を抉って砂が飛び散った。

 その時、背後で聞き慣れない言葉が聞こえた。日本語だ、と思い出したのはさらに数発撃ってからだった。耳栓をしていなかったので、自分のK2ライフルの銃声で耳鳴りがしていた。ターミナルビルを振り返ると森林迷彩の兵士達がビルの外に展開し、機関銃を連射し始めた。彼らの背後に担架を抱えた衛生兵らしき兵士が見え、リは彼らが自分達を助け出そうとしていることに気がついた。


「無茶だ……」


 展開しようとしていた日本兵の遮蔽物に十数発の5.56mm弾が叩きつけられ、火花が散る。日本兵は頭も出せず、下がらざるを得なかった。

 彼らがここにたどり着けないと分かっても、リは一瞬だけ夢見てしまった生還の希望にどうしても縋りたくなった。

 その時、ターミナルビルとは違う方向から車輛がこちらに向かってきた。それもやはり日本軍だった。しかしその後ろには韓国軍のK200装甲車も続いている。重機関銃を連射しながら向かってきたK200の後部から四名の韓国兵が飛び出し、まず車輛の影に隠れていた二人の兵士を救出した。リの下には日本軍の兵士が駆け寄って来た。日本兵はリの様態を確認する時間すら惜しんで、腕を引っ張ってリを引き上げると屈んでリを背中に担いで走り出した。

 北韓も黙って撃たれている訳ではない。激しい銃撃が後を追ってくるのが意識を朦朧としていたリにも分かった。K200装甲車の裏に日本兵とリは転がり込んだ。

 次の瞬間、爆発音が響いた。K200のすぐそばで何かが炸裂した。

「RPGだ」

 韓国兵が叫ぶ。K200の後部兵員室に放り込まれるように乗せられるとK200は全力で後退した。それに日本軍の車両も続く。




 負傷者を車輛部隊が回収したが、敵は対戦車ロケット弾を使用して装甲車を攻撃してきた。わずかに狙いが逸れて命中には至らなかったが、その脅威を目の当たりにした栗原は撤退を指示した。

 生き残った韓国軍部隊が何とか態勢を立て直して反撃を開始していた。それに加えて自衛隊も応戦を開始している。しかし北朝鮮の特殊戦部隊は絶対に諦めなかった。

 今なお激しい射撃音が周囲を満たしていた。RPG-7対戦車擲弾が空港に向かって発射され、着弾地点で炸裂する。ガラスが砕け散り、傍にいた自衛隊員をはじく。

 さらに発射された擲弾が遮蔽物にしている海上輸送コンテナの背後に着弾して炸裂し、破片をまき散らすと悲鳴が上がった。自衛隊は北朝鮮ゲリラの猛攻の中、懸命に応射する。


『小松1曹負傷!首藤2曹、第2分隊の指揮を引き継ぎます!』

『RPGを撃たせるな!』

『敵三名、さらに阻止線を越えた!敵は正面から右上がりに距離を詰めてる、右側に応援を回せ!』

『空自の警備班が支援に回る。2小隊長が掌握しろ』


 小隊無線に切り替えると怒号が飛び交っていた。栗原は狙撃班を振り返った。

 空挺団第3大隊本部狙撃班の広津佳晴2曹はバスターミナルの道路上に寝転がり、対人狙撃銃M24A2 SWSを構えていた。隣で〈リューポルド〉のMark4スポッティングスコープを覗く山口亮3等陸曹が照準すべき目標を指示してくる。


「風は北北東から十ノット……目標までの距離は四百五十メートル」


 目標に指定された韓国軍兵士に偽装した北のゲリラは、駐車場に設置された韓国軍陣地内の車両を盾にして、ターミナルビルと駐車場地区の間の韓国軍を狙って銃撃していた。その姿は友軍であるはずの韓国軍兵士の装備と瓜二つで、韓国製のK2ライフルを持っている。

 風を考慮して照準した広津は息を一度大きく吐いた。動く標的は五百メートルからでも撃って来た。だが、人を撃つとなると話は全く異なる。安全装置を解除し、引き金に指を触れる。

 引き金にファーストステージと呼ばれる遊びのある軍用小銃と異なり、狙撃銃の引き金に遊びは無い。


「撃て」


 狙撃には呼吸が重要だ。息を吸い、吐いて吐き切る少し手前で止めて引き金を絞り落とす。

 M118LR7.62mm弾の雷管が撃針に叩かれて弾け、装薬の爆発を促した。装薬は破裂し、ガスとなって膨れ上がり、その圧力は薬莢内で逃げ場を求めて弾頭に向かった。弾頭は発射ガスによって銃身内を圧し潰されながら駆け抜け、刻まれた腔線に沿って回転を加えられて飛び出す。

 放たれた7.62mm弾は広津の狙い通り、発砲を続ける韓国軍兵士の格好をした北朝鮮特殊戦部隊の兵士の頭を撃ち抜いた。

 ヘルメットで守られている頭頂部ではなく、顔面の死のT字と呼ばれる部分に7.62mm弾は直撃し、その兵士を即死させる。

 広津は素早く槓桿を操作し、次弾を装填し、次の目標を探す。


「第1目標から二十メートル東。対戦車弾を持った敵だ」


 北朝鮮製のRPG-7対戦車擲弾発射機、68式7号発射管だ。こればかりは韓国軍のRPG-7に相当する装備ではなく自前の物を用意したようだ。素早く狙いを定める。だが、特殊戦部隊も狙撃が行われたのだと理解すると素早く対応してきた。突撃銃の銃撃がターミナルビルに向けられ、バスターミナルエリアにも銃撃が及ぶ。


「下がれ!」


 広津と山口は急いでバスターミナルエリアの縁から下がった。コンクリートに銃弾が直撃して破片が飛び散る。自衛隊の採用する対人狙撃銃は、速射出来ないボルトアクション式のM24 SWSのため、複数の敵に狙われると反撃は困難だ。敵は狙撃手を黙らせている間に速度を上げた。

 ターミナルビルの周辺に展開した韓国軍はその間に態勢を整えつつあった。指揮官達が兵士達を鼓舞し、部隊が本格的な応戦を始める。韓国軍は徴兵制のため、自衛隊よりも士気が低いと聞いたことがあったが、それは嘘だった。彼らの愛国心は本物だ。

 ターミナルビル内にいた自衛隊もそれを援護するために射撃した。89式小銃は三点射で、5.56mm機関銃ミニミも短連射でそれぞれが5.56mm弾を浴びせる。連射音が鳴り響き、倍の火力で圧倒された北朝鮮軍部隊は射撃による拘束を受けた。さらにK21歩兵戦闘車を中心とする韓国軍の機械化部隊が空港の前に立ちふさがった。40mm機関砲の火力を目の当たりにした北朝鮮特殊戦部隊は流石に撤退を選ばざるを得なかった。


「敵は後退を開始!韓国軍が追撃する模様」


「警戒を怠るな。状況を報告しろ」


 栗原は北朝鮮の特殊戦部隊が後退していくのを見ると、すぐさま各小隊長に被害を確認させた。


「1小隊は負傷者三名。うち一名、重傷。2小隊は負傷者二名。3小隊は負傷者六名。うち二名が重傷です」


 伊坂が報告の内容をまとめてから栗原に告げた。


「十一名か。重傷者の容態は?」


「内村3曹が榴弾の破片を浴びて重症。後送が必要です」


 血まみれの隊員達がターミナルビル内の包帯所となったブースに集められる。そこでは中隊の衛生科隊員や米軍で言うコンバットライフセーバーの補助担架要員の隊員達が負傷者に出来得る限りの救命処置を行っていた。ワックスで磨き上げられたターミナルビルの床に負傷した隊員達の血が広がっているのを見ると栗原は心臓を締め付けられた。


「民間人が負傷した自衛官を見れば動揺する。動線の民間人を移動させるか、負傷者を運ぶ動線を確保しろ」


「了解」


 任務を遂行するためにはそこまで気を回さなくてはならない。空港はこの戦闘で完全に民間機の離着陸は滞り、避難を待つ民間人たちは不安でいっぱいになっていた。彼らが頼りにする自衛隊がやられた姿を見れば怯え、パニックを生む可能性もある。


「着陸許可が下りました」


 熊沢が栗原に声をかけた。自衛隊機にようやく着陸許可が下りたのだ。空港に自衛隊機の着陸が再開されたことには安堵したが、重傷を負った部下達の姿が栗原の脳裏からは離れなかった。


「そうか。避難完了まで飛行場と民間人を死守するぞ」


「はい」


 伊坂が栗原の言葉に頷いた。

 韓国軍には多数の死傷者が出た。敵は下がったが、まだ健在なのだ。さらに韓国軍から情報がもたらされた。北朝鮮の潜入部隊は、ソウルやその周辺のテレビ局やラジオ局などを襲撃して次々に沈黙させているらしい。韓国国民のパニックが助長されるのは間違いなく、任務はますます困難なものになることは間違いなかった。

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