概要
亡霊の妄執は、イキモノたちへの毒となる。
「希望だそうだ、尊厳を取り戻す為の。
――――存在意義なんて、所詮はその程度のものだよ」
世界が一度終ってから一体どれだけの月日が経ったのか、もう誰も覚えていない。
とっくの昔に全部が駄目になっていた。
今となっては、汚染されていない場所を探す方が難しくて。
見渡す限り広がっているのは、大小さまざまの残骸と瓦礫。
なにが新しくてどれが古いのか、それすらわかったものじゃなくて。
そんな場所でイきているのは、イキモノ。
有機と無機がぐちゃぐちゃにミックスされた、ひどくあいまいなカタチのモノ。
空に浮かぶ大きな『浮き島』にも、そんなイキモノたちが数多く暮らしている。
地上よりも安全で、汚染も少なくて、資源もあって。
ひょっとしたら、楽園とだって呼んでもいいかもしれない