概要
<あらすじ>
遙か昔──荒廃した地上を捨てた人類は、地下へとその生活の基盤を移した。
人工の光が頭上を照らし、蒸気機関が吐き出した煤煙が鈍色の空に白い息を吐く。
蒸気と灰降る地下都市のひとつ<フロイデ>。
かつては“歓びの国”と冠されたコロニーだったが、王の巣が完成した今となっては貧富の格差が広がり、それは次第に民衆との軋轢となった。
一部の民は<革命軍>を名乗り、社会の変革を切望していた。
気弱で心優しいアオもまた、その組織の一員であった。
錬金術師とは名ばかりの自分を厭い、無能のレッテルを張られ、雑用をこなす日々が続いた。
そんな、ある日。
錬金術の禁忌である“ホムンクルス”を、親友が創り
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!その友情は、噛み合わなくなっていく歯車のようで。
物語の舞台は、地上が滅び、人類が地下で生活する世界。
蒸気機関が発達し、鉱石が生活を支えています。
『錬金術師』として革命軍に身を寄せる、孤児院出身のアオとユーエン。
固く結ばれていたはずの彼らの友情は、『ホムンクルス』に対する見解から、次第に噛み合わなくなっていきます。
内気で、不器用なアオ。
優秀で、しかし、人として、どこか欠けてしまったように思えるユーエン。
けれど、そこには確かな『理由』が――。
一見、陽気で人当たりよく感じられる謎の男ケージー。
狡猾そのものの、慇懃無礼紳士デルニエ。
犯罪に酔いしれる、狂人美女ギロティナ。
アクの強すぎる人物たちにも振り回され、果たして…続きを読む - ★★ Very Good!!個性と重厚さに溢れた世界。そして少年はいつか友を撃つ。
蒸気噴き出し灰が舞う地下都市。革命軍の一員としても錬金術師としてもイマイチで引っ込み思案な少年『アオ』は、ひょんなことから『ケージー』という男と出逢う。飄々としながらも明るさと強かさを持つケージーに憧れの感情を抱きつつ、アオは『ホムンクルス製造』という禁忌に手を染める友人『ユーエン』には恐怖を抱くようになり――。
一章六幕の冒頭まで読了しました。
スチームパンクSFファンタジーといった内容の舞台設定で、色々な作品やジャンルの要素を取り入れつつ、それをオリジナルの世界として再構築し、個性ある物語として出力している部分が、最大の特徴かつ見所な作品です。
1ページどころか一行ごとにこだわって練ら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!こだわりぬいた物語
描写がとても丁寧で、一文一文にこだわりを感じます。比喩的表現も交えながらテンポよく綴られる綺麗な情景描写は詩のようでもあり、読んでいて楽しく、引き込まれるものがありました。
世界観を大事に読み進めたい人には、特にオススメです。
今現在更新されている部分まででは、恐らく全体像の序盤なのでしょう。
その為ストーリーに関しては深くは言えませんが、あらすじや序章、端的に散りばめられている情報や設定から、この先どう展開されていくのかという期待感しかありません。
勿論、現時点でも充分面白いです。
流行り要素こそありませんが、こだわりぬいた文章と設定・ストーリーで黙々と勝負していく姿勢が何より高評価で…続きを読む