不倫の恋に疲れた主人公が拾ったのは猫と可愛い年下男子で――というお話です。
初めはイケメンと恋愛しながら美味しいご飯を楽しむだけのグルメ小説だと読んでいました。
しかし、次第に波瑠の過去や祖母との思い出、千颯の過去が明かされ、物語はぐんぐん面白くなっていきます。
そんな中で、食事はただ味を楽しむだけじゃなくて作る人や食べる人の思いが詰まったものなんだとしみじみと感じさせられました。
「飢え」というのは食欲だけじゃない。ご飯を美味しく食べるのに必要なのは愛なんだろうな、と読んでいてグッとくるお話です。
食べ物を食べている時にふと思い出す優しい記憶。ごはんを作ってもらう喜びと、食べてもらう喜び。日々の生活に疲れ、癒されたい方におすすめのほっこりする物語です。
読書は苦手なので、長編はほぼ読まないのですが😅近況ノートでよく話されていた、西さまのお心も知りたくて。最後まで拝読させて頂きました。
私はお料理上手ではありませんが、毎日ごはんを作ります。読書と同じくらいの苦手ですが、作ります(作らないといけません)。
……作る時に思うのは、食べてくれる家族のこと。
家族の好ききらいや体調、季節のイベント、などなど。ごはんを作る人は、食べる人の事を考えます。何気ないことですが、これって毎日知らず知らず、身体に取り入れている「愛情」ですね😌
この作品を読んだ時、改めてそのように感じました。シンプルな「塩おむすび🍙」ひとつでも、コンビニのおにぎりとは違う温かさがあるんです。
塩の配分をまちがえて、ちょっぴり塩辛くても。
形が下手くそな三角でも。
そこに気持ちがこもっていると、嬉しいモンです✨
人物描写も素晴らしく、とても素敵な物語だと感じました。
西さま、読ませて下さってありがとうございます😆🌠
お正月のところまで読ませて頂きました。次からは、謎でいっぱいイケメン料理上手、千颯君の過去回とあって、大変楽しみです。
さて。
こちらの作品を拝読して、私は思いました。
ご飯を作る行為は、自分の何かを分け与えることであると。
心や、エネルギーなんかをね。
だから、笑顔で丁寧に食べてもらえると嬉しいし、そういう風に食べてくれる人と食卓を囲むと、更に美味しく感じるのでしょう。
逆に、ご飯を食べるという行為は、作り手の心やエネルギーを貰うこと。
だから、自分の為に作ってもらえた料理はオニギリ一つをとっても格別なんですね。
「ご飯できたよ」
は
「貴方の事を考えてるよ」
栄養補給だけではない。『ごはん』は、そういう意味でも人を生かせる術の一つとなる。
心を癒して元気に導く、波瑠と千颯の『ごはん』
どうか、沢山の方に味わってもらえますように。
透明感がある、繊細で温かい雰囲気の作品でした!
朝起きたら急にかわいい猫と美男子――千颯がいる!
という急展開から、ほっこり切ない、不思議な共同生活がはじまる。
少しずつ見えてくる、波瑠と千颯の心の傷。
その傷と心の距離を埋めるのが、『料理』なのです。
とっても緻密な料理と味の描写が、二人を通してまざまざと立ち上がってきます。
料理を作る。味わう。語らう。
これらの営為の中にこそ、愛や生活の基盤ともなる、人の想いというものが詰まっているのかも知れません。
それによくも悪くも、料理を通じた関係性が、家庭や文化の根底にあり、生活を規定しうるのかな、とも思いました。
なにはともあれ、透明で詩的なタッチのために雰囲気でも心地よく読めてしまう物語でした。
『おばあちゃんの卵焼き』のように甘く温かくも、ちくりとしたサボテンの棘のある……そんな本作をおすすめします!
初っ端から書きますが、「おいしいごはん」とはなんでしょう?
皆様、様々なイメージが浮かぶかと思います。
僕らが何気なく、でも毎日食べてる「ごはん」。それが「おいしい」って思えるのは何でしょう?
大好物を食べる事、腹いっぱい食べる事、高級食材を食べる事、そういう事でもいいのですが、やはりですね、「愛情」なんです。
こちらの物語は「おいしいごはん」を通して、その「愛情」の喪失と再生を、丁寧にそして優しく綴られております。
そんな、とっても素敵物語なんです。
誰にでも「ごはん」には、たくさんの「おししかった」想い出が存在すると思うんです。ただ、美味である事を追いかけるのでなく、その時、その瞬間、味覚と同時に胸の奥が温かくなった思い出、そういう「おいしい」をこちらの物語を読みながら思いだして頂けると幸いです。
お勧めいたします。
普通の日常と考えていたものが、実はかけがえのない日常であったりもします。「おいしいごはん」で満たされる、そんな様々な想いをこちらの物語から感じ取って頂ければ幸いです。
皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)
心の乾きを埋めるように恋愛をし、男に浮気されて終わることの多い主人公の波瑠。男運の悪い彼女は、不倫関係にあった上司と別れたその日、一匹の猫と八歳年下の男の子・千颯を拾います。
千颯は大学生ながら訳アリのようで、波瑠にこの家に住ませてほしいと頼み込みます。波瑠はこの要求を飲み、千颯は泊めてもらう代わりに料理を作るようになります。
過去、男に料理を作ることで「結婚用の女」と言われて浮気され炊飯器を捨てたこともある波瑠が、たまたま今度は料理を作られる側になるという構図がいいなあと思いました。
また千颯にも読んでいて胸が苦しくなるほど辛い過去がありますが、傷を抱えた二人がお互いを守ろうとする温かな関係性に発展していくのもこの物語の魅力であると感じます。
私が一番好きな話は第33話の『波瑠のコロッケと「守ってあげたい」』で、ご飯を作ることをやめていた波瑠が千颯を守ってあげたいと思った時にご飯を作ってあげたという事実にウルっと来ました。
「サボテン」は波瑠と千颯、どちらのことも表してるのかなと思います。
料理描写がすごくすごくおいしそうなので、夜中に読むとお腹が減ってしまうかもしれません。そこだけ注意です(笑)
温かい気持ちになりますし、明日は人のためにご飯を作ろうと思える作品です。
ぜひ読んでください。
毎日誰かが作ってくれたごはんを食べる。
当たり前のことのようで、それは当たり前のことではありません。
料理を作る行為は、ひとつの作業です。
食材を切ったり炒めたり煮たり、やろうと思えば誰だってそれなりには出来る。
でもそれが、誰かの笑顔のためなら。
誰かの元気のためなら。
誰かの幸せを願ってのことなら。
その作業は愛情になると思います。
ごはんは生きていく上での栄養と愛情。
この物語のごはんは、全てそういうもの。
傷付いてクタクタになっていた二人が、手作りのごはんを通して再生していく温かな物語。
一緒に味わってみて下さい。
そして、ごはんを誰かと食べられる幸せを改めて感じて欲しい、心からそう思います。
お勧め致します。
主人公は、働く社会人の女性。
うっかりアホな男と不倫をして、その男のアホさに幻滅し、やけ酒。
翌朝目が覚めると……。
拾っちゃってたよ。かわいい猫と、かわいい顔の男子(子どもではない)を!!
さて。「毎日ごはんを作ってもらう、それって普通じゃない?
どこが癒し?」
そう思う人もいるかもしれない。
結婚して主婦となり毎日家族のご飯を作っている女にとっては、ご飯を毎日つくってもらうというのは、それだけで癒しなんです!
(断言)
それが綺麗な顔の、優しい男子で、かわいい猫ちゃんつきで。
いいな〜。いいな〜!!
美味しいご飯満載の、ほっこりゆったり、癒やされる物語です。