概要
「ここに置いてください」と千颯に言われ、「ごはんを作ってくれるなら」と
波瑠は千颯を家に置いてあげることにした。
朝目が覚めたとき「ごはんですよ」と言われる幸せ。
帰宅したときに「ごはん出来ていますよ」と言われる喜び。
波瑠は毎日朝起きるのが嬉しく、また早く仕事から帰りたくなっていく。
これは、毎日の普通に食べるごはんがおいしいお話です。
***
全十二章50話で完結予定です。
1話は2000字程度です。
***以下ネタバレ注意のあらすじ***
波瑠は二十七歳の会社員で、古い日本家屋で一人暮らしをしていた。
実は、波瑠は中学生から家を出て祖母と二人で暮らしており、
その祖母がなくなったとき、波瑠は祖母と暮らしていた日本家屋を遺産と
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!あたたかいご飯がある喜びと、ご飯を食べてもらえる喜びと。
不倫の恋に疲れた主人公が拾ったのは猫と可愛い年下男子で――というお話です。
初めはイケメンと恋愛しながら美味しいご飯を楽しむだけのグルメ小説だと読んでいました。
しかし、次第に波瑠の過去や祖母との思い出、千颯の過去が明かされ、物語はぐんぐん面白くなっていきます。
そんな中で、食事はただ味を楽しむだけじゃなくて作る人や食べる人の思いが詰まったものなんだとしみじみと感じさせられました。
「飢え」というのは食欲だけじゃない。ご飯を美味しく食べるのに必要なのは愛なんだろうな、と読んでいてグッとくるお話です。
食べ物を食べている時にふと思い出す優しい記憶。ごはんを作ってもらう喜びと、食べて…続きを読む - ★★★ Excellent!!!作ってもらうご飯って、美味しい☺️
読書は苦手なので、長編はほぼ読まないのですが😅近況ノートでよく話されていた、西さまのお心も知りたくて。最後まで拝読させて頂きました。
私はお料理上手ではありませんが、毎日ごはんを作ります。読書と同じくらいの苦手ですが、作ります(作らないといけません)。
……作る時に思うのは、食べてくれる家族のこと。
家族の好ききらいや体調、季節のイベント、などなど。ごはんを作る人は、食べる人の事を考えます。何気ないことですが、これって毎日知らず知らず、身体に取り入れている「愛情」ですね😌
この作品を読んだ時、改めてそのように感じました。シンプルな「塩おむすび🍙」ひとつでも、コンビニのおにぎりとは違う…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ご飯
お正月のところまで読ませて頂きました。次からは、謎でいっぱいイケメン料理上手、千颯君の過去回とあって、大変楽しみです。
さて。
こちらの作品を拝読して、私は思いました。
ご飯を作る行為は、自分の何かを分け与えることであると。
心や、エネルギーなんかをね。
だから、笑顔で丁寧に食べてもらえると嬉しいし、そういう風に食べてくれる人と食卓を囲むと、更に美味しく感じるのでしょう。
逆に、ご飯を食べるという行為は、作り手の心やエネルギーを貰うこと。
だから、自分の為に作ってもらえた料理はオニギリ一つをとっても格別なんですね。
「ご飯できたよ」
は
「貴方の事を考えてるよ」
栄養補給だ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!サボテンの花・料理の記憶が傷ついた二人をつなげる、ほろ苦い愛の物語
透明感がある、繊細で温かい雰囲気の作品でした!
朝起きたら急にかわいい猫と美男子――千颯がいる!
という急展開から、ほっこり切ない、不思議な共同生活がはじまる。
少しずつ見えてくる、波瑠と千颯の心の傷。
その傷と心の距離を埋めるのが、『料理』なのです。
とっても緻密な料理と味の描写が、二人を通してまざまざと立ち上がってきます。
料理を作る。味わう。語らう。
これらの営為の中にこそ、愛や生活の基盤ともなる、人の想いというものが詰まっているのかも知れません。
それによくも悪くも、料理を通じた関係性が、家庭や文化の根底にあり、生活を規定しうるのかな、とも思いました。
なにはともあれ、透明…続きを読む - ★★★ Excellent!!!おいしいごはんを食べる物語、ただそれだけなのに、それだけじゃない。
初っ端から書きますが、「おいしいごはん」とはなんでしょう?
皆様、様々なイメージが浮かぶかと思います。
僕らが何気なく、でも毎日食べてる「ごはん」。それが「おいしい」って思えるのは何でしょう?
大好物を食べる事、腹いっぱい食べる事、高級食材を食べる事、そういう事でもいいのですが、やはりですね、「愛情」なんです。
こちらの物語は「おいしいごはん」を通して、その「愛情」の喪失と再生を、丁寧にそして優しく綴られております。
そんな、とっても素敵物語なんです。
誰にでも「ごはん」には、たくさんの「おししかった」想い出が存在すると思うんです。ただ、美味である事を追いかけるのでなく、その時、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!傷を負った二人と一匹の猫のおいしくて優しい同居生活
心の乾きを埋めるように恋愛をし、男に浮気されて終わることの多い主人公の波瑠。男運の悪い彼女は、不倫関係にあった上司と別れたその日、一匹の猫と八歳年下の男の子・千颯を拾います。
千颯は大学生ながら訳アリのようで、波瑠にこの家に住ませてほしいと頼み込みます。波瑠はこの要求を飲み、千颯は泊めてもらう代わりに料理を作るようになります。
過去、男に料理を作ることで「結婚用の女」と言われて浮気され炊飯器を捨てたこともある波瑠が、たまたま今度は料理を作られる側になるという構図がいいなあと思いました。
また千颯にも読んでいて胸が苦しくなるほど辛い過去がありますが、傷を抱えた二人がお互いを守ろ…続きを読む