第15話 マクラウリ
亜空はクマさんにいろんなホントを見せてくれる
亜空のホントを知るうちに、どうしてクマさんは亜空に呼ばれたのか、やっとわかった
---亜空界
元気になったクマさんの冒険は続いていた。
「おあああー!何もかも新鮮どい!」
“ぴょーん!ぴょーん!ぴょーん!”
亜空界は独自の動物や植物が生育している。
ストロー水草の生える湿地帯、コウモリ木の森、現空界では見た事もない原野地帯をクマさんは旅する。
「ふう、腹へったどい。どこかに食べ物はないかな」
ツタの生い茂るジャングルを空腹で歩いていると、ツル植物の実が目にはいった。
「お、ウリがなっとる。
うまそうどい」
クマさんは顔くらいもあるウリにむしゃぶりついた。
“シャウシャウシャウ!”
腹が満たされると急激に眠くなった。
「ああ、どこか横になれるところはないどいか」
運よく、大きなウリの実を縦に割ったような形をしたものがあった。
「おおー!こりゃまさにベッドやな」
クマさんがその上に横になるとちょうどぴったりだった。
「ワタイにぴったりの形しとるどい!」
クマさんがまぶたを閉じると、頭の後ろからにょきにょきとツルがのびてきて、頭や体を優しく包んでいった。
“もやもやもやもや……”
すっぽり包まれたクマさんの頭の中に夢を誘う成分が漂う。
これは亜空の危険な
獲物をとらえると、夢を見せながら、ゆっくり溶かしていく。
“とろとろとろとろとろ……”
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます