概要
見えないモノに見られている
友人と「コックリさん」を行い、そのルールを破った秋山小谷(あきやまこやと)は「見えないなにか」に追われ、とある喫茶店に行き着く。そこにいたのはアヤカシを見る近衛朝霞(このえあさか)という少年と、アヤカシであるヒナという少女だった。
小谷の世界はこの出会いによって色が変わることになる。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★ Good!多分、これは“恐怖”の物語ではない。優しくて奇妙な世界のお話。
物語の冒頭は、焦燥感を煽るにはややパンチにかけるもののじんわりと迫り来る恐怖を描いたシーンから。
まだ序盤ということもあり、ゆるゆるっと綴られる展開に若干の物足りなさを覚えるも、そこから更に読み進めていくと、思わず目を留めるシーンがあった。
『コックリさん』を友人たちと行う場面である。
ホラーもののモチーフとしては定番だと思っていたが、侮ることなかれ、これがなかなかスリリングで、序盤の緩やかさから突如として襲いかかるキレのある描写に、緩急の妙を感じてしまう。
ともすれば、そんなホラーものとして「あー面白かった」でそのまま素通りしてしまいそうな物語に、別の確度から奥行きを与えるのがその後の展開…続きを読む