【スキルを創るスキル】で最弱無双⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
第1章 進化の始まり
001 神の悪戯
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
全てはこの一言から始まった。
シャクシャクシャク
僕は近くの公園のベンチで、優雅にかき氷を食べていた。
今日は日曜日。
公園の桜も見ごろを迎え、家族ずれや観光客でいっぱいだった。
公園内には露天商も立ち並び、子供たちが元気に走り回っている。
僕はと言うと、日向のベンチに座り、家族や親族が戻ってくるのを待っていた。
「お兄ちゃん、爺臭いよ?」
従妹が戻ってきたようだ。
「うるさいよ。いらないお世話だ。
「美鈴姉さんに子供たち預けてきた。さすがにクタクタになったからね。」
本当に子供の体力は無尽蔵じゃないかと思ってしまう。
それに付き合いきれる美鈴の体力もすごいけど……
「
「あぁ、茂ならおじさんと一緒に向こうの屋台でお酒飲んでる。ほんとどうしようもないよ。」
彼女は僕の従妹の
といっても年は離れていて、僕の10コ下だったりする。
旦那の茂君も同級生で同い年だったはず。
ちなみに妹の美鈴は僕の7コ下だ。
美鈴と佐奈は小さいころからよく遊んでいた。
今回はゴールデンウイークの休みを前倒しでとって、こっちの桜祭りに遊びに来ている。
むしろ、父さんに無理やり茂君が誘われたってのが真相だ。
「おばさんはどこまで行ったのかな?」
「あぁ、母さんはご近所さんを見つけて桜見しながら散歩中だよ。おかげさまで、僕はここで荷物番だ。」
俺の座っているベンチの脇には、家族分の荷物が積みあがっていた。
この後、公園に併設したキャンプ場でキャンプとバーベキューをする予定になっている。
ただ、このままだと父さんと茂君は使い物にならないかもしれないけど……
「ママ~~~。美鈴おねぇちゃんすごいんだよ!!バンバンバン!!っていっぱいとってくれたの!!」
「よかったわねぇ~。ちゃんとお礼言ったの?」
「うん!!」
「ありがとう美鈴姉さん。子供たちの相手大変だったでしょ?」
遊びまわってた子供たちが帰ってきた。
手には人形やら、おもちゃやらがたくさん抱えられていた。
「お疲れ様美鈴。」
「兄さんも荷物番お疲れさま。」
戻ってきた美鈴は大分お疲れのようだった。
クーラーボックスからジュースとスポーツドリンクを取り出して、子供たちと美鈴に手渡した。
どうやらのどが渇いていたらしく、ものすごい勢いで減っていく。
美鈴に至ってはほとんどからに近かった。
500ml一気飲みって……
「お母さんまだ戻らないの?」
「あぁ、まだ帰ってこないね。どこまでいったんだか。」
「私、その辺探そうか?」
佐奈が探しに行こうとしたので、無理しなくていいと止めた。
そのうち戻ってくるだろうから。
最悪電話すればいいだけだしね。
しばらくして、しびれを切らした美鈴が母さんに電話をかけた。
どうやら、父さんのところへ行っていたらしく、二人を叱りつけながらこっちへ向かっているところだった。
そんな楽しい日常がこれからもずっと続くと思っていた。
そう、当たり前に続くと思っていた。
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
突然の声にみんなが驚いて、その声が聞こえた方を見たが誰もいない。
どこを探しての誰もいないのだ。
「お兄ちゃん……」
「ママ~!!」
いったいなんなんだ?!
どこから聞こえるんだ?!
僕の周辺もザワザワとざわついてく。
ピーピーピー
ピーピーピー
突然スマホからアラーム音が流れた。
周りを見回すとすべてのスマホ・携帯電話から同じアラーム音が流れている。
アラーム音を止めようとスマホをいじってみても、何も反応を見せない。
いつもの待ち受け画面のままだった。
美鈴や佐奈も慌ててスマホを確認していた。
『は~~~~~~~い皆さ~~~~~ん!!ご注目~~~~~~!!今~~~、皆さんの端末に~~~~~!!改造を施しました~~~~ぱちぱちぱち~~~~!!』
みんなが一斉に自分の端末を確認した。
すると画面に文字が表示された。
『世界の摂理の改変をお知らせします。直ちに各自の端末で内容を確認してください。』
何だこれ?!こんなの見たことないぞ!!
『皆さ~~~~~~ん!!確認しました~~~~~~~?僕が~~~~~~~~変えちゃいました~~~~~てへっ』
その声に一斉に怒声が浴びせられた。
始めは小さいかった声が、どんどん膨らみ、周辺から怒りの感情があふれ出してくるのがわかる。
子供たちはそのどす黒い感情に怯えてしまった。
正直僕も周囲の感情に呑まれかけていた。
『はははっ。怒らないの~~~~~。そんな皆さんに僕からのぷれぜんとで~~~~す。ほいっと。』
そんなことはお構いなしにそいつは話を進めていった。
各々の端末が突然光りだした。
どのくらい続いただろうか……。
そのまばゆい光が落ち着くころ、スマホの画面を確認してみた。
個人情報▼
インベントリ▼
スマホの待ち受け画面に、見たことのないボタンがあった。
『皆さんには~スキルをぷれぜんとで~~~~す!!共通スキルとして、【世界共通言語】と【インベントリ】っていうのを全員につけてますよ~~~。ボクってやっさし~~~~~い。』
本当に人をイラつかせるのが旨いなこいつ……
だがそんなことを考えていると、次第にその変化が感じられた。
「Hey, what's going on !! Please explain to someone!!コレハ余興か何かなのか?!」
近くで騒いでいた外国人観光客の言葉が理解できたのだ。
外人の男性も周辺の日本人の言葉が完全に理解できたらしく驚いていた。
周辺も変化に気付き始め、驚きと困惑に包まれていく。
『あとは~~~、皆さんの特性に合わせたスキルもぷれぜんとしてますよ~~~~。あとで確認してね~~~。』
そういうと、上空に光が集まりだした。
光の粒が徐々に人の形を形成し、やがて一人に人物に変わった。
それは、ピエロに近い服装で、白地に金の刺繍が入ったローブを羽織っていた。
顔にはピエロの仮面をしており、表情や性別までは確認できなかった。
『じゃあ、最後にごあいさつ~~~~~~~~!!』
みんなの視線がその人物に集中する。
僕も視線を向けて耳を傾けた。
そして、一気に周辺の空気が変わった。
ドロドロとして体にまとわりつくような嫌な感じだ。
『それでは……うぉっほん!!……紳士淑女・老若男女の皆様。改めまして、僕は神です。この世界は僕が作り替えました。理由は……、僕のわがままです。そして、この世界はこの瞬間からデスゲームへと変わります。地球上のすべての生物に進化の時がやってきたのです。さぁ、僕のために抗いなさい。藻掻きなさい。さすれば進化の先に楽園が待っています。皆様の進化を心からお待ちしております………』
神と名のる人物が優雅に一礼すると、雰囲気が一変した。
『では~~~~~~~~!!ゲ~~~~~~~~~~~ム~~~~~~スッタ~~~~~~~~ト~~~~~~~~~~!!』
その人物がパチンと指を鳴らした瞬間、世界は地震に見舞われた。
その大きな揺れが体感で5分くらい続いた。
揺れが収まり周囲を見渡した。
この周辺には特に変わった様子は見られなかった。
周りの人たちも不思議がりスマホの画面へと目を落とした。
ピロリンピロリン
SNSの投稿の新着通知がいきなり増え出していた。
鳴りやまない新着通知に嫌な予感を感じる。
その中の1件を確認すると信じられないものが映し出されていた。
街中にいきなり現れた洞窟の写真。
建物の中がいきなり洞窟に変わった。
他にも数々の投稿が上がっていく。
そう、それが世界の改変の一部……
【ダンジョン】と呼ばれるモンスターの巣窟の誕生だったのだ。
世界はこれより強制的に進化に迫られたのだった。
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