041 結果:よくできました
俺たちは目標を決めて以降、ダンジョンへと足しげく通い続けた。
時にはダンジョンで寝泊まりもしたものだ。
見張りをローテーションでこなしたり、食事の準備をしたり。
今後、上位のダンジョンアタックの予行演習も兼ねていた。
しばらくレベル上げやスキルのアップグレードを行っていた。
そんなこんなで、あれから6か月の月日が流れてしまっていた。
探索をしまくった結果、大量のモンスターを退治していた、。
倒したモンスター
スライム 約1200匹
ゴブリン 約1200匹
ハンティングウルフ 約1300匹
ホブゴブリン 約200匹
これは、カレンが書き留めてくれていたメモを元に集計した結果だ。
よくもまぁ、これだけ倒したものだ。
その間にいくつものレベルの上昇と下降を繰り返していた。
そしてついに、その時が来てしまった。
俺の予測は間違っていなかったらしい。
ボーナスポイントがついに”0”になってしまった。
心のどこかで”1”か”2”くらいは貰えるのじゃないかと思っていた。
しかし、そこまで甘いものではなかったようだ。
それをメンバーに伝えると、特に焦ったりとかはしていなかった。
これは計算上なんだけど、ボーナスポイントの累計が”〝1000〟になるのはなんと……
レベル150前後になると予測される。
つまり、それだけのポイントを先にもらってしまったということなのだ。
谷浦はと言うと、予定通り一旦レベル11まで上げてもらい新しい盾を作成してもらった。
オブストラクションシールド:属性ダメージおよび各種状態異常を緩和。リキャストタイムの減少。各種属性・状態異常の緩和。リキャストタイム×0.5。耐久度HP×0.3。
破格といえるかもしれない性能だ。
まぁ、完全耐性ではないので、どの程度緩和されるかが問題になる。
たくさんのモンスター討伐とレベル上げ。
その結果が、第4層のモンスターを呼吸をするがのごとく倒せるようになってしまった。
そして、虹花さん曰く俺のステータスは異常らしい。
ーーーーーーーーーー
基本情報
氏名 :
年齢 :35歳
職業 :探索者G
称号 :駆け出し
ステータス
レベル :10
EXP : 62/896
HP :159/159
SP :149/149
体力 :257(+27)
力 :207(+11)
知力 :134
精神力 :127
魅力 : 84
幸運 :142
任意ステータス振り分けポイント残:ーーー
スキル
共通 :世界共通言語 レベル無し
インベントリ レベル2
ユニーク:スキルクリエイター レベル2
スキルアップグレード レベル2
スキルカスタマイズ レベル1
スキルコンバート レベル1
武器術 :剣 レベル6
盾 レベル6
武術系 :剣術 レベル6
強化系 :身体強化 レベル5
部位強化 レベル8
切断 レベル6
打撃 レベル2
衝撃 レベル2
命中率補正 レベル7
回避速度補正 レベル8
魔法系 :土属性+ レベル5
土属性- レベル2
風魔法+ レベル2
風魔法- レベル2
水魔法+ レベル2
水魔法- レベル2
火魔法+ レベル2
火魔法- レベル5
特殊系 :食材調理 レベル6
装備
頭 :狩猟狼の兜(体力+4 力+1)
胴体 :狩猟狼の鎧(体力+4 力+1)
腕 :狩猟狼の小手(体力+4 力+1)
腰 :狩猟狼の腰当(体力+4 力+1)
下半身 :狩猟狼の具足(体力+4 力+1)
足 :狩猟狼の靴(体力+4 力+1)
右手 :スチールショートソード(力+5)
左手 :ラウンドシールド改(体力+3)
装飾品 :なし
ーーーーーーーーーー
レベル10でステータス3桁とかありえないと言われてしまった。
正直さすがにやりすぎた感は否めない……
でもやってしまったものは仕方がないと切り替えていくしかない。
そして俺たちは目標としていた準備が整った。
待ちに待ったこの時が来たのだ……
俺のFランク卒業!!
え?今更だって?
仕方ないじゃないか……
レベル10以上が条件なんだもの。
何度もレベルダウンを繰り返していた為に、これだけ遅くなってしまったのだ。
俺は、みんなと別れ市役所に来ていた。
もちろんランクの更新だ。
やっとだ……
やっとランクの更新に来れた。
この探索者証も大分くたびれて来たな。
愛着がわいてしまっても仕方がないと思う。
だって、探索者になって早8か月以上……
ここまで遅い更新はいないんじゃないかって思えるくらいに、長い時間がかかってしまった。
これからも遅々として進まないかもしれないな……
受付窓口に申請書と探索者証を渡し、発効まで待合所の席に座って待っていた。
そこで会いたくないあいつにまた再会してしまった。
「あらあらあらあら、『最古のGランク』の中村様ではありませんか?!どうしてここにいらっしゃるのです~?ここはあなたがいる場所ではありませんよぉ~?」
本当に会いたくはなかったな。
会う度に嫌みを言ってくる。
暇なのか?
俺に向かって嫌みを言ってのけているのは、梁井 明日香。
俺が最初に組んだパーティーの、追加メンバーだ。
「難攻不落の城壁」
それが彼らのパーティーの呼び名だ。
團姉弟がパーティーリーダーを務めていて、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けているパーティーの一つだ。
名前の由来となっているのは龍之介君のユニークスキル【キャッスルガード】だ。
詳しい情報はわからないが、どんな攻撃も撥ね退けて仲間を守る姿から名付けられたとか。
「お前には関係ないだろう、梁井 明日香。」
「そうですわね。あなた程度に構っているほど時間がありませんから。それではまた。」
本当にメンドクサイやつだ。
いちいち絡む必要性はあるのだろうか……
ふと、待合所の新聞が目に入った。
『「難攻不落の城壁」がCランクへ昇格か?!。』
そっか、龍之介君たちも頑張ってるんだな。
つまりあいつもCランクなのか……
なんだか、腹が煮えくり返りそうにイラついてきた。
「中村様~。中村様~~。ランク申請でお越しの中村様~。14番窓口までお越しください。」
しばらく待つと窓口から呼び出しがかかった。
これでやっとランクアップができる。
「大変お待たせいたしました。こちらがFランク探索者証です。なくさないようお気を付けください。」
「ありがとうございます。そういえば「難攻不落の城壁」はCランクへ昇格したんですか?」
「はい、そちらについては私共からは申し上げられません。本日夜に記者会見をなさるそうですのでご覧いただいた方がわかるかと思います。」
「そうですか、ご丁寧にありがとうございます。」
Fランク探索者証を受け取った俺は、みんなにその報告を行った。
皆も自分の事のように喜んでくれていた。
これでついに第5層へ入ることができる。
これまで時間をかけて準備をしてきた。
これからも仲間たちがいる。
何も心配なんてしなくていいんだ。
自宅へ帰った俺は、家族にランクアップの報告を行った。
美鈴は一足先にDランクへ昇格を果たしていた。
地道な食糧系ダンジョンの攻略が評価されたらしい。
昇格した際にずっと探索者証を見せつけられたっけな。
でもその気持ち、少しわかってしまった。
新しい探索者証が来るのはうれしいものだった。
夕ご飯も終わり、一家団欒をしている時だった。
美鈴が何気なく付けたテレビに、「難攻不落の城壁」の姿が映し出された。
『えぇ、ご紹介にあずかりました、「難攻不落の城壁」のパーティーリーダー團 由貴乃です。我々のダンジョンアタックに賛同しご協力いただきました皆様のおかげをもちまして、本日Cランク探索者パーティーとなることができました。これからも初心を忘れず、ダンジョンアタックを続けてまいります。』
由貴乃さんガチガチだな。
まあ、いきなり記者会見とか緊張するなって方がおかしい。
記者会見場のバックに映るのは、今勢いのある装備メーカーのロゴだったりする。
「難攻不落の城壁」の付けている装備もそうだ。
しかも胸元や肩などにスポンサーと思しきメーカー名とかがこれ見よがしに入っている……
うん、スポーツ選手じゃないんだからさ。
それでも、活動資金が必要だからこうするしかないのかもしれない。
あれから世界各国でダンジョン攻略が進み、ダンジョン資源が一大産業となった。
いかに質の良い資源を回収するかで、どの国も躍起になっている。
ここ日本も例外なく、その方向で動いていた。
ただ、ここは資本主義国家。
企業が全力で投資を始めたのだ。
おかげで探索者も、【個人事業主】と【社員】に分かれた。
大半の探索者は、企業に所属して社員として働いている。
「難攻不落の城壁」のような実力者は、個人事業主または自分で会社を興したりして活動している。
俺たちはというと……
特性上、個人事業主の集まりとして活動している。
装備に関しては、これはラッキーとしか言いようがなかった。
父さんが大手職人組合『スミスクラン』に所属しており、木工職人の副棟梁として活動していたおかげで、防具職人の伝手ができたのだ。
材料さえこちらでそろえれば、オーダーで作成してもらえた。
まあ、金額はお察しで……
そのおかげで俺も装備を一新できたし、メンバーもそれなりの装備をしていたりする。
記者会見を終えて席を立った由貴乃さんだったが、表情が浮かなかった。
ただ一人浮かれているメンバーがいたので、おそらく精神的に疲れてしまったのだろう。
どこまで行っても「
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