第2章 リベンジ!!
013 初めてのソロ探索
スキルクリエイターのおかげで、僕のレベルが1に戻ってしまった。
とりあえず、残っているポイントはあえて振らないでそのままにしておいた方が無難みたいだ。
ついにダンジョンへと足を踏み入れた。
場所は前回講習で使用したダンジョンだ。
理由は簡単で、僕のレベルが1に戻ってしまったから。
正直言うとダンジョンの状況が分かっているのといないのでは安全マージンが全然変わってくる。
死んでしまっては全く意味が無いからという判断だ。
それに、父さんたちにこれ以上心配かけたくないからね。
僕は探索者ギルドでダンジョン入場の受付を済ませると、ダンジョンゲートを経て第一層へと向かった。
ダンジョン内はこの前と変わらず、少しジメッとした空気感がここが現実だと思い知らせて来る。
前回は教官付きのパーティーで来たこともあってか、あまり気にならなかったんだけど、ソロで来たことでそれがはっきりと理解できた。
ちなみに、受付で係員に一度止められてしまった。
いくら最下級のGランクダンジョンといえども、ソロで潜るのはお勧めできないと。
僕だって正直一人で入場するのには抵抗がないとは言えない。
だけど今の現状を鑑みると、ソロで潜るほか選択肢は無いように思えた。
僕が第一層のみに入ることを告げると、係員はしぶしぶという雰囲気で了承してくれた。
うん、心配してもらえるのはありがたいことだね。
運が良いのか悪いのか、僕が探索を開始すると、すぐにスライムと遭遇する事が出来た。
さすがに講習会で使用しているだけあって、正直あまり数は期待していなかった。
とりあえず一匹。
まずは目の前のスライムを片付けよう。
僕は慎重を期して剣と盾を構え、目の前のスライムを見据える。
相変わらずポヨンポヨンとやる気のない動きに、気がそがれてしまうけど、これも立派なモンスター。
一歩間違えば僕の命はここで潰えてしまうかもしれない。
訓練の時とは違い、僕はきちんと腰を入れて斬り、地面まで切らないようにスレスレでピタリと止める。
スライムは見事真っ二つに分かれ、魔石を残して消えていった。
「ふぅ~、なんとかなったかな……さすがに一人は怖いな……」
これが僕の偽らざる感想だ。
手にした剣も小刻みに震えていた。
まさに、武者震いというよりは恐怖からの解放。
それが原因だろうな。
ピコーン
カバンにしまったスマホから聞こえたのは、待望の音だった。
そしてそれは僕にとって福音か否か……
はやる気持ちを抑えて、スマホ画面を操作すると……
ーーーーーーーーーー
基本情報
氏名 :中村 剣斗
年齢 :35歳
職業 :探索者G
称号 :駆け出し
ステータス
レベル :2(1UP)
EXP : 0/ 2
HP :100/101(1UP)
SP : 10/ 11(1UP
体力 :31(1UP)(+5)
力 :21(1UP)(+1)
知力 :15
精神力 :11(1UP)
魅力 : 5
幸運 :20
スキル
スキル名:世界共通言語 レベル無し
インベントリ レベル1
スキルクリエイター レベル1
スキルアップグレード レベル1
剣 レベル1
剣術 レベル1
盾 レベル1
身体強化 レベル1(レベル3以下の為封印)
ーーーーーーーーーー
よし!!
よしよしよし!!
よっしゃ~~~~~!!
これで確定した。僕は強くなれる。まだまだ強くなれる!!
レベルとしては見た目上強くなれないけど、ポイントを振り分けて成長できる。
さて、今のうちにポイントを振り分けよう。
あ、いやまて……どれに振ったらいいんだ?
振り分けるにしても、どの項目を上げていけばいいんだ?
困ったな……
そうだ、帰ったら美鈴に確認するのも一つか。
もしかしたらSNSやネットに情報が上がってるかもしれないし。
それか、ここでレベルを上げて自衛官に確認すればいいのか。
自衛隊だって情報を持ってるだろうから、もしかしたらヒントになるかもしれない。
うん、これで僕の行動方針は決まった。
この階層で、倒せるだけ倒し続けよう。
この一戦の後、僕はスライム3匹とゴブリン3匹を倒した。
一戦一戦する毎に戦闘は楽になっていく。
その間もレベルアップを何度か行い、戦闘経験を積むことで、どうすればいいのかが明確になってきた。
そして3匹目のゴブリンを倒したころ、スマホからのアラームが鳴る。
流石に一日中潜るわけにもいかなかったから、夕方にアラームが鳴るように設定しておいた。
今日の探索はこれで終わって一旦帰還しよう。
ダンジョンを出た僕は、訓練施設を目指した。
中に入るとちょうど一ノ瀬さんがいたので、ステータスについて話を聞いてみた。
そして、自衛隊で現在分かっていることについて教えてくれた。
と言っても、話せる範囲だったろうけど。
HP :ヒットポイント。これが0になると死亡。
SP :スキルポイント。アクティブスキルを使用するたびに減少。不足するとスキル使用不可。
体力 :HP成長率。物理防御力に関与。身体能力に関与。詳細は検証中。
力 :物理攻撃力に関与。物理属性に関するダメージが上昇。詳細は検証中。
知力 :SP成長率。魔法防御力に関与。知識系能力に関与。詳細は検証中。
精神力:魔法攻撃力に関与。魔法属性に関するダメージが上昇。詳細は検証中。
魅力 :詳細は検証中。
幸運 :クリティカルヒットと呼ばれる現象が発生。ドロップアイテムの品質向上。詳細は検証中。
だそうだ。
うん、どれをこの数字を上げればソロで生き残れるんだろうな……
ソロで潜った感想は、第一層なら問題なしってところだろうか。
さすがにまだ第二層に行く勇気は出ないな。
とりあえず一旦帰宅して、明日について考えようと思う。
家に帰ると美鈴も友達とダンジョンへ行っていたらしく、ちょうど帰ってきたみたいだ。
ダンジョン内がどうだったとか、モンスターがどうだったとかいろいろ母さんと話をしていた。
美鈴の行ったダンジョンは講習用のダンジョンと違い、家からさほど離れていない所にある。
おかげで長い時間潜ってても、日帰りが出来ると嬉々として語っていた。
美鈴曰く、そこのモンスターは動物系と植物系が出るらしく、運が良ければ食材が手に入るみたいだ。
今日はフォレストボアというイノシシの様なモンスターと、グリーンマンという野菜に似たモンスターを狩ってきていた。
美鈴がゲットしてきた食材は、イノシシ肉と思われる肉の塊とキャベツに似た野菜だった。
両方ともダンジョンから帰還後に自衛官たちが検査に出し、食用に出来るとお墨付きをもらったみたいだ。
その食材を使って母さんが料理を作ってくれたんだが、意外と……と言っていいのか分からないけど、普通に美味かったので驚いた。
正直一口目は本気で勇気が必要だった。
いくら検査して大丈夫とお墨付きをもらっていても、安全と安心は同一ではないから。
食後に自室へ戻った僕はベッドにドサリと寝ころぶと、ステータス画面を立ち上げてにらめっこを始める。
これからどうしていくべきか……それによってポイントをどう振り分けるか。
直接HP・SPを上げるっていうのもありか……
そうすれば、少しのダメージを喰らってもすぐに死ぬことはないし、スキル使用不可になる事も減っていくと思う。
でも、スライム倒すよりハンティングウルフを倒したほうが効率がいいのは確かだ。
迷う……
よし!!体力と力に振り分けよう。
今確か60ポイントだから30づつでいいだろう。
ーーーーーーーーーー
基本情報
氏名 :中村 剣斗(なかむら けんと)
年齢 :35歳
職業 :探索者G
称号 :駆け出し
ステータス
レベル :4(2UP)
EXP : 3/ 8
HP :100/103(2UP)
SP : 10/ 13(2UP)
体力 :63(32UP)(+5)
力 :53(32UP)(+1)
知力 :15
精神力 :13(2UP)
魅力 : 5
幸運 :20
任意ステータス振り分けポイント残:0
スキル
スキル名:世界共通言語 レベル無し
インベントリ レベル1
スキルクリエイター レベル1
スキルアップグレード レベル1
剣 レベル1
剣術 レベル1
盾 レベル1
身体強化 レベル1
ーーーーーーーーーー
これでかなりパワーアップできたはずだけど……人間って欲が尽きない生き物だよね。
そしてここでまた誘惑が……
スキル……どうしようかな……
ずっと第一層でレベル上げてはスキルに振ってを繰り返していくのが安全パイだろうけど、収入がやばい。
さすがにほとんど収入にならないんだよな。
ゴブリン素材何てほとんど無価値だからね。
魔石とスライムゼリーだけだと、今後さらに値下がりするだろうし……というか、値崩れ待ったなしだ。
そうなると第三層の攻略を視野に入れていかなきゃなくなるかな。
でも、新しいスキルを取得するにしても、スキルレベルを上げるにしても自分のレベルを消費する。
まじこれやばくない?
とりあえずこのステータスでどこまで行けるかの確認しないとな。
まずは明日、第一層で確認作業をするとしようかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます