エピローグ

第34話  異常事象報告書番号089『汚染病院』

『概要。20××年×月×日未明。犬會市犬會大学医学部付属病院で起きた異常事象です』


 以下省略。


『追記。第四回汚染病院について。汚染病院発生に付随する異常存在α(以下少年)が沓名愛羽氏と接触。それにより愛羽氏の意識が復活。汚染病院は消失しました。


 結果。その後愛羽氏による現実改変が行われ犬會市一帯が花畑と青空の異常空間と化しました。これにより犬會市は消滅、住人は行方不明となっています。現在住人は現実改変の上書きにより消滅したと結論づけられ捜索は打ち切られました。


 異常空間は目視において一面が青空であり雲が少数浮遊していますがこの雲が基準現実との境界を超えることはありません。また基準現実が夜においてもその場所は青空を維持します。


 花畑にはスミレ、ビオラ、パンジーに似た様々な種類がありそれ以外の動植物、虫類は現在確認されていません。異常空間は画像、映像での録画が不可能であり衛生画像においても黒い点として表示されます。


 この空間は高い現実値を持ち侵入したものは有機物、無機物問わず現実汚染を受け多くの場合消失します。一部残る例がありその場合フラワーアートと化します。


 この現実改変による都市消滅への隠蔽工作は失敗し世間に知られることになりました。都市消失による経済損失や人的喪失の混乱は全国に広がり、また異常事象の露呈にも繋がりました。


 これにより世界中で宗教論争や紛争に発展し現在これに起因する死傷者数は120万人以上です。また二次被害として他の異常事象も露呈し段階的に異常現象や異常存在の公開が世界的に検討されています。 


 この異常空間は拡大しているのが判明しており、現在の速度で拡大した場合約66年で地表が覆われることが分かっています。すでに隣接した都市も花畑化により消失しました。

 これに対処するための花園伐採作戦が現在計画中です。


 花畑出現から数か月後、全国的に人類に対して敵対的な異常存在が複数発生しました。これを汚染存在と呼称しています。また人間にも異常な形状変化や能力の発現が確認され、これを汚染者と呼称しています。特戦では汚染存在に対抗するため戦闘能力に特化した汚染者で構成された特殊部隊クリーナーを設立しました。


 同年女神教団が誕生しました。沓名愛羽氏を女神と信奉する集団であり花畑を聖域指定しています。汚染存在を人類への罰、汚染者を女神からの贈り物とする教義から差別的扱いを受ける汚染者が多く入団し支持を拡大しています。現在花園伐採作戦において女神教団とは敵対関係にあります。


 閲覧制限。以降は第三職員以上のライセンス保持者のみ閲覧出来ます。ライセンス番号とパスワードの入力をお願いします』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

汚染病院 奏せいや@Vtuber @helvs

作家にギフトを贈る

頂いたギフトは全て余さず、執筆の血肉として喰らい尽くすことを誓いますので、よろしくお願いします。
カクヨムサポーターズパスポートに登録すると、作家にギフトを贈れるようになります。

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ