概要
男子校というのはどうも、おかしい。異性がいないからなのか、なんだか頭が悪くなっていく気がする。バカと一言で言い表したら、バカがかわいそうなくらいだ――。
男子校。なるほどたしかに女の子とまともに会話できないし、振る舞いも雑だし、どこか子供っぽい。エスカレーター式で大学に行くことになっている三人は、二年生の二学期、高校生活も折り返しとなってもまだまだ子供みたいにはしゃいでいる。足りないのは、金と女子! 不登校のクラスメイトが居るのは少し気に掛かるけれど、のんきで楽しい異性のいない高校生活を過ごしていた。
だが水面下では着々と、理事長による高校の廃校計画が進行していたのだ。
大した毎日ではない!けれど!このま
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- ★★★ Excellent!!!君がヲタ芸をする「理由」は何だ?迷える男子高生たちの、踊る青春群像劇
冴えない日常をだらだら消費していた男子高生たちが、ひょんなことからヲタ芸をすることに——?
初めは三人だったヲタ芸チームも、いつの間にやらクラスの大半を巻き込む一大ムーブメントになっていく。
はたして彼らは理事長の廃校計画を阻止できるのか?!
まず、男子高生の生態がリアルです。
取り立てて特技もない男子たちの、どことなく満たされない、だけど何かに本気になることもないような、ユルくてわちゃわちゃした空気感がいい。
これだけでも教室の壁となって眺めていたいという同志も多いことと思います。
迷える男子たちは、如何にしてヲタ芸への熱意をたぎらせていくのでしょう。
たとえ「廃校計画の阻止」という一…続きを読む - ★★★ Excellent!!!踊るヲタ芸ボーイズ
俺の青春時代って、どんな感じだったっけ。理系の学校だったから、男子だらけだった。恋愛至上主義にかぶれて、彼女欲しくて近隣の高校に遠征してた気がする。
そんなアオハルを過ごした俺的に、本作は「そのエピソードは止めて差し上げろ。俺の古傷をえぐる」ってな感じで読んでいていちいち心が痛い。
いや、俺のアオハルはどうでもいい。ヲタ芸だ。
動画共有サイトのおかげなのか、ヲタ芸のイメージも様変わりしたように思う。
何だかやけにオシャンなイメージだし、踊り手もシュッとしてる。
だがどうだ、本作のボーイズは冴えない男子高生だし、ネットの拡散力に頼ることを禁じられているではないか。しかもヲタ芸で学校を救う……続きを読む - ★★★ Excellent!!!映像が浮かぶ、直球の青春小説!
今回すごく思ったのはビジュアライズ? 読んでいて映像がすごく浮かんでくること。小説なのに映画を観てるみたい。各キャラの動き? それぞれテンポが違って実際に動いてるのが見える。そこで織りなすドラマと情景がとにかく見事!
オタ芸をしよう、と3人でやろう!! ってなった時にワクワクしました。
こんなに血の通ったキャラ、体温を感じるのはキタハラ作品としては初めてかもしれません。これまでの過去作はみんなどこか冷めてる・諦めてる所から希望を見出そうとしてきたけど、この作品も同じ流れのはずなのに躍動感が凄い。
とにかく僕からしたら『熊本くんの本棚』はインディー作品的であり、あの時しか書けない狂気がすごく好…続きを読む