君がヲタ芸をする「理由」は何だ?迷える男子高生たちの、踊る青春群像劇

冴えない日常をだらだら消費していた男子高生たちが、ひょんなことからヲタ芸をすることに——?
初めは三人だったヲタ芸チームも、いつの間にやらクラスの大半を巻き込む一大ムーブメントになっていく。
はたして彼らは理事長の廃校計画を阻止できるのか?!

まず、男子高生の生態がリアルです。
取り立てて特技もない男子たちの、どことなく満たされない、だけど何かに本気になることもないような、ユルくてわちゃわちゃした空気感がいい。
これだけでも教室の壁となって眺めていたいという同志も多いことと思います。

迷える男子たちは、如何にしてヲタ芸への熱意をたぎらせていくのでしょう。
たとえ「廃校計画の阻止」という一応の目的があるのだとしても。
彼女がほしいのか。複雑な家庭環境からの逃避か。クラスのノリに合わせたのか。男としての意地か。
一人一人、大なり小なり、みんな何かを抱えています。あるいは何もないと思い込んでいます。
そんな彼らが一様に、光り輝くサイリウムを両手に携え、一つのパフォーマンスを作り上げる。
クライマックスでどんな景色が見えるのか、否が応でも期待が高まります!

馬鹿馬鹿しくても。惨めでも。時々苦しくて、悔しい思いをしたとしても。ついでに彼女いなくても。
暑苦しい男子高生たちの唯一無二の青春が、確かにここにある!
もっとたくさんの方に読んでいただきたい作品です。

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