第28話

私も、それにつられるようにして桜井先生に見つからないように小さく笑った。





それから、またすぐに蘭ちゃんから手紙が回ってきた。



手紙の表には、こう書いてある。


『桜井の似顔絵』



私は手紙を開いてみて、思わずお説教中なのに吹き出しそうになった。





…手紙の中の桜井先生は…




髪型は同じものの顔は

眼鏡はグルグル眼鏡


鼻の穴は異常に大きくて


口は、へのへのもへじみたいな口をしてた。


おまけに頬には、渦巻きまで付いてる。





私はもう1回、蘭ちゃんの方を見た。



そしたら蘭ちゃんは、またこっちを向いて今度はウインクした後にニカっと笑う。






そんなこんなで私は嫌なお説教の時間も楽しく過ごすことができた。







―――放課後―――







―――屋上―――




私達は、あれから屋上に来た。






「でね!さっきの続きなんだけど…さっきの話の意味は合コンして、その合コンに優樹も誘って美穂ちゃんと優樹をくっつけるって作戦!♪」



「えぇっ!?」




「どう!?いいアイディアでしょ♪?」




「ちっちょっと待って!私、合コンなんか出たこと無いよ!?」




「そんなの優樹だってそうだよぉ。んで他には寛貴も誘って―――…♪」



そう言った蘭ちゃんは私にでさえも分かるほど楽しそうだった。




「…もしかして蘭ちゃんって橘君のこと……」



そう言うと明らかに顔を真っ赤にして、うつむく蘭ちゃん。





私はそれを見て、蘭ちゃんはいつも鋭い所をついてきて恋愛のこととなると完璧なのかと思ってたのに自分の恋愛となると、こんなふうになることが分かって、なんかかわいいなと思った。




「あ゛ぁ―――もう!そ~なの!あたしは寛貴が好きなの!文句ある!?だから美穂ちゃんも一緒に合コン来て、あたしと寛貴の恋、応援してよ!お願い!」



蘭ちゃんはそう言って必死になって手を合わせて、お願いしてくる。




…そんなことされたら…





断れなくなるじゃない…





気付いたら私は…

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