第17話

用件は言われなくても想像が付く―――…





おそらく昨日のこと。





それ以外、有り得ない―――…





いつもはこういう時、蘭ちゃんがかばってくれた。





でも今はトイレにでも行ってるのか蘭ちゃんは教室にはいなかった。





でも、ちょうどよかった。





今まで私は蘭ちゃんに頼り過ぎてた部分がある。





私は蘭ちゃんにばっかり頼ってなんかいたくない。





蘭ちゃんがいないと何も出来ない人間にだけはなりたくない。





私は覚悟して聞いた。



「…話って何?…」




「…ここじゃ話にくいことなのよ。今から屋上に来てくれない?」





私は意を決して屋上へ向かった。







―――屋上―――




屋上は今日はとくに寒い日で震え上がりそうだった。



いつもの私だったら間違いなく震え上がっていただろう。





でも今日は震え上がらなかった。





美玲ちゃんも震えてはいなかった。




2人共震える余裕もなかったんだと思う。





ついに美玲ちゃんが口を開いた。



「…蘭子の言ってたことは本当なの?」




「…っ…なにが…?」




私は、当然意味は分かってたけど美玲ちゃんの質問に答えたくなくて小さな抵抗をした。




…でも、それでよけいに美玲ちゃんを怒らせてしまったみたいで…



「だから!あなたが優樹君のことが好きって話よ!」


美玲ちゃんは怒って私をにらみつけながら言う。




「…えぇと…それは…」




「ちゃんと答えて!」




「……好きだよ……」




美玲ちゃんは小さくため息をついた後に言う。

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