第4話

でも、いつ位からだろう…




小学校位かな…




きっと私が、やりたい事も何もなくて親や先生や大人の言いなりにばかりなって他の子達とも、ほとんどしゃべらずに勉強ばかりするようになった時だ…





その3人組で話すことは、ほとんどなくなってた。




…と、いうより私も蘭ちゃんとは、時々しゃべってたし優樹君も蘭ちゃんとは、今まで通りしゃべってた。





私と優樹君だけがしゃべらなくなってた…




お互い遠慮して…




呼び方もいつの間にか名前で「美穂ちゃん」「優樹君」じゃなくて名字で「菊地さん」「青山君」だった。




高校も蘭ちゃんからの誘いもあってなんとなく3人で同じ高校を受験した。





でも、それでも…




それでも…





それでも…やっぱり優樹君が大好きで…





大好きで…

大好きで…





だから本当は、「菊地さん」じゃなくて昔みたいに「美穂ちゃん」って…





「美穂」って…




呼んでほしかったけど…





それでもやっぱり…





やっぱり、あんな爽やかな笑顔で爽やかな挨拶をされると、たとえ「美穂ちゃん」じゃなくて「菊地さん」って呼ばれても、うれしくて…





うれしくて…

うれしくて…





本当は、すごく緊張してたけど必死で普通に振る舞った。





でも実際、声は、あずってたし、少しかんじゃったし…





誰かに緊張したり、あわててたりしてたの気付かれなかったかな…





そんなことばかり考えてたから私のことを蘭ちゃんが真剣な目付きで、じっとみてたのを気付くよしもなかった。





その後、「放課後に屋上にきて」と蘭ちゃんに呼び出された。




蘭ちゃんはいつも、したい話は、その場でするので、こうやって呼び出されることなんてなかった。





《何の話だろう…》そんなことばかり考えてたから放課後は、すぐにやってきた。





―――放課後―――




私は、約束通り屋上に行った。



屋上のドアを開けて1言目に私が発した台詞。


「寒いっっ…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る