第27話

私の周りには悪い人なんて居なくて、みんな優しくて素敵な人しかいないから今のところ私に『嫌いな人』というのは、いなかったけど私は桜井先生のことを『嫌いな人』ではなく『苦手な人』として見てた。





嫌いな人と苦手な人って、いったいどこがどう違うかって?





う~ん…上手く言えないけど“嫌いじゃないけど苦手”ってことかな?




それはどういう事かって?





う~ん…それも上手く説明できないけど例えるとすると私にとっての美玲ちゃんみたいな存在の事かな?




私は時々、美玲ちゃんのことを『苦手』と思う事がある。





何故かって?





それは私が美玲ちゃんに敵うことが1つも無いから。



美玲ちゃんは

美人で

スタイルがよくて心が強くて

頭がよくて

勉強ができて

運動神経がよくて…完璧な人…




…だから…きっと優樹君も美玲ちゃんのことが好きだと思う…





…だから私は美玲ちゃんに何か言われても何も言い返せない…





だから…




だから私は美玲ちゃんを『苦手』と思う事がある…





でも





私は美玲ちゃんを『嫌い』なんて思った事はない。





美玲ちゃんに近寄りたくないだとか


美玲ちゃんが嫌だとか思った事なんて、これっぽちもない。






私にとっての桜井先生はそんな存在だった。






私はそんなことを考えながら桜井先生に見つからないように机の下で手紙を開いた。




手紙の内容は…



――――――――

みほcへ


あ゛ぁ―――桜井説教長すぎ―――(>_<)


第1ぁんなコトゃってるから授業遅れるンじゃなぃの!?


だってさ―――!テストのコトならともかく制服とかさ―――!すーがくに全く感けーなぃじゃん!?


みほcもそぉ思わなぃ!?


蘭ョリ

――――――――




私は手紙を読み終わると蘭ちゃんの方をチラッと見た。




すると蘭ちゃんも、ほぼ同士位に私の方を見た。


蘭ちゃんは私に向かってニカっと笑う。

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