第26話

それから桜井先生は説教を始めた。




私達がチャイムに遅れて席についたのがバレたとかではなく、これもいつものこと。





理由はいろいろあるけど大体はテストのこと。




「あれだけ教えたのに―――!」


とか


「やる気あるの―――!」


とか

言って怒ってくる。





しかも最初はそれだけだけど最後の方には女子のスカートの丈


ブレザーの着こなし


先生への態度


日頃の行い

など数学に全く関係ない説教になってる。




ほぼ毎回といっていいほどのペースで、これが15分以上続く。



特に桜井先生は制服とかのことになると生活指導の先生より厳しくて話が止まらない。




“こんなことやってるから、よけい授業が遅れてテストの点数が悪くなるんじゃ…”私はそう思った。





そんなことを思ってると蘭ちゃんから手紙が回ってきた。




桜井先生はまだ、すごく怒ってるけど、いつも授業中に手紙を書いてる蘭ちゃんからしてみれば、そんな先生の目を盗んで手紙を書くなんて、お手の物みたいで結構長い内容が書いてある。






元々、桜井先生は制服とかのことに相当厳しい先生だから私は好かれてる方だと思うけど校則違反をして派手な格好をしてる蘭ちゃんのことは結構嫌ってた。





私は先生や大人に嫌われる度胸がないから別に好きでもない勉強を人一倍頑張ったりして大人に好かれようとしてるけど蘭ちゃんは前に私が「先生に嫌われても平気なの?特に桜井先生とか…」って聞いたら「平気!へーき!別に教師から好かれようとか思ってないし!特に桜井とか有り得ないんだけど!あんな年増にだったら嫌われたって全然いいし!ってか、むしろその方がうれしい!?(笑)って言うより桜井って老けすぎだよねー(笑)あれで、まだ20代後半でしょ!?見えないから(笑)どー見たって30代半ばにしか見えないから(笑)そんな先生に嫌われたって何てことないから(笑)それが超→カッコイイ男の先生とかでもいるなら別だけど―――♪」って言ってた。





桜井先生は説教の時間が長いせいもあって学校中のほとんどの生徒が嫌ってた。

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