第4章 蘭ちゃんの好きな人📁
第25話
「合コン!?ちょっと待って!蘭ちゃん、それどうこと!?」
「あっそれはねー…『キーンコーンカーンコーン』
蘭ちゃんの声を妨げるように昼休み終了の合図のチャイムが鳴り響く。
「あっ!ヤバッ!チャイム鳴った!早く教室に戻らないと桜井(数学教師)にキレられるよ!!だから続きは放課後ね!!」
蘭ちゃんはそう言うと、すごいスピードで走り出した。
「えっ!?ちょっと待って!?蘭ちゃん!」
私もそう言って急いで蘭ちゃんを追ったけど蘭ちゃんが走るのが速すぎて、とてもじゃないけど追いつけそうにない。
私も一生懸命走ってるけど、もはや私と蘭ちゃんの距離は50m位できていた。
「ハァハァ……待っ……て……ら……んちゃ……」
私は息を荒げながら、とぎれとぎれの蚊の鳴くような声で言った。
でも蘭ちゃんには聞こえてないのか蘭ちゃんが走るスピードを遅らせることは一切なかった。
バタタタタタタタタタタタ…ガラッ!
「ハァハァ……桜井は?」
蘭ちゃんが教室のドアを開けて友達にそう聞いてる時に私はやっと蘭ちゃんに追いついた。
私はもちろんだけど屋上から教室までという長い距離を全力疾走した蘭ちゃんもさすがに疲れたらしく2人共肩で息をする状態だった。
そんなこんなで、ふと教卓を見ると桜井先生がいない。
「アハハハ大丈夫!ダイジョーブ!まだ桜井来てないから♪ギりセーフだよ♪蘭も菊地サンも♪」
蘭ちゃんの友達が言う。
「マジでーよかったーでも早く準備した方がいいんじゃない!?」
蘭ちゃんも言う。
「そうだね!」
私はそう言って慌てて自分の席について机の中の勉強道具を探す。
そして私が勉強道具を見つけて机の上に置いたのと同士に桜井先生が教室に入って来た。
私はとりあえず桜井先生に遅刻して教室に入ったのがバレてないみたいなのでホッと肩をなで下ろした。
そして何となく蘭ちゃんを見ると蘭ちゃんもクルッとこっちを向いてウインクをした後、口パクで「セーフ♪」と言った。
そして私は蘭ちゃんにニコっと小さく笑い先生の方を向いた。
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