第37話
「同じ大学って…風立大学!?無理だよ!私には…」
すると優樹君は、また、あの笑顔で言った。
「大丈夫だよ。美穂ちゃんは頭もいいし、それに優しくて落ち着いてるから、きっと面接でも好印象だと思うし…だから、きっと受かれるよ!」
「でも…」
私は、優樹君が私のことを、そんなふうに思ってくれてたのは、すごくうれしかったけど、それでも、まだ前向きに風立大学を受ける気にはなれなかった。
「大丈夫だよ。正直、僕も無謀なことしようとしてるのは自分自身が1番自覚してるんだよね。でも、風立大学は、ずっと行きたかった大学だから」
優樹君は、そう言って満面の笑みを浮かべた。
そんな優樹君を見てて、気付いたら、こんなことを聞いてた。
「…優樹君は……勉強とか…好き?」
優樹君は、その質問を聞いて、一瞬驚いたような顔をしてたけど、すぐに笑顔に戻って言った。
「好きだよ。…確かに…正直、たまに嫌になったりすることもあるけど……でも、頑張って、いい成績とれたら嬉しいし、それに自分の行きたい学校や夢のために勉強頑張るのって楽しいじゃん。美穂ちゃんは勉強、嫌いなの?」
私は少し戸惑ったけど正直に答えることにした。
「…私は……正直…あんまり……」
勉強が好きな優樹君は、こんな私をどう思うのかと思うと不安で仕方なかったけど、驚くべき答えが返ってきた。
「えっ!?勉強嫌いなの!?それなのに、あんなに成績がいいの!?すごいね!」
私は、優樹君のその言葉に驚いて思わず「えっ!?」と言ってしまった。
でも優樹君は話を続ける。
「すごいよ!だって…人って好きなことなら結構、頑張れるものだけど嫌いなことなら、普通、あんまり頑張れないものだよ!」
私は、その言葉を聞いて、気付いたら物凄い勢いで言い返してた。
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